ワンセグ、防災にいかす 専修大福冨ゼミが活用案
専修大学の福冨忠和教授とゼミの学生らが、ワンセグを防災に役立てる活用案を模索している。
福冨教授らが活用を検討しているのは、半径数百メートルの狭い範囲内の携帯端末に映像を配信する「エリアワンセグ」。大規模災害の発生直後に、周辺の避難情報や援助・支援情報を配信することを視野に実験を重ねている。
東日本大震災の発生時、石巻市などでは長期間に渡って固定電話や携帯電話、インターネットの回線が途絶えた。代わって有線回線を利用しないエリアワンセグやラジオ放送などが支援のための情報配信に役立ったという。福冨教授は「大地震の発生が予想されている関東地域でもワンセグなどを活用した緊急災害情報の配信・流通手段を整備しておく必要がある」と話す。
教授らは5〜10Km範囲で受信可能なエリアワンセグ局(情報の発信基地)を県内に100〜150カ所設置し、エリアごとの避難情報を送信することや、緊急災害(FM)放送局の中継範囲外で情報発信する仕組み作りを提唱している。
1日に行われた川崎市総合防災訓練では、映像配信実験を行った。上空のヘリコプターから災害本部テントに周辺の被害状況をとらえた映像を送り、本部から半径数百メートルの携帯端末に配信。テント周辺の人々が同時に同じ映像を共有できることを確認した。
福冨教授は「災害時に本格的に稼動させるには検証・検討が必要だが、周辺の大学や様々な施設と協力体制を築き、有事の際に情報を配信できる拠点を増やしておくことが重要といえる」と話している。
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