麻生市民館で創立25周年の記念演奏会を開く「三曲あさお」の会長 船明(ふなぎら) 啓耳さん 町田市在住 60歳
邦楽に親しみもって
○…25周年を迎え、「メンバーの病気などを乗り越え、よく続けてこられた。健康に感謝している」。5月10日には麻生市民館で、記念演奏会を行う。箏・三味線・尺八の総称「三曲」の音色に親しんでもらおうと、打楽器や朗読のゲストを招き、絵や歌詞をプロジェクターで映し出しながら、現代曲を演奏する。「一般の方にもわかりやすいように企画したので、楽しんでもらいたい」
〇…邦楽では流派が重んじられる中、広く一般に聞いてもらうコンサートの機会が少ないことや人材不足から、「三曲あさお」は流派を超えて合奏することをテーマに結成された。楽しんで聞いてもらうコンサートを実現するため、麻生区近郊の邦楽愛好家たちが集まり、共に試行錯誤を重ねた。以来、語りや伴奏をつけ、絵本や歌詞を画面に映し出すなど独自の取組みを行う。定期演奏会、麻生音楽祭参加の他、区内の学校、介護施設での演奏を行ってきた。全ては「邦楽は特殊なものではないことを伝え、楽しんでもらう」為だ。
〇…静岡県出身。実家にあった尺八を子どもの頃に吹いてみたところ、すぐに音が出た時が、尺八との出会いだった。親の理解を得られず、高校までは吹く機会がなかったが、明治大学へ進学し、邦楽サークルに入ったことが転機となった。周囲の人より尺八の上達が圧倒的に早く「面白くなって、のめり込んでいった」と振り返る。アルバイトをしながら専門学校にも通い、腕を磨いた。卒業後、尺八の演奏の傍ら、製作や修理も手掛けるなど、尺八への愛情は深い。
〇…3年前に町田市へ引っ越したが、20代の頃から麻生区との境である多摩区南生田で30年以上暮らしてきた。音楽が盛んな地元麻生区を拠点に「流派を超えた演奏会を今後も継続していき、邦楽をマイナーではなく、スタンダードな音楽にしていきたい」。古典芸能の継承という使命を果たすため、力を注ぐ。
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