2016年の年頭にあたり、本紙では多田昭彦区長にインタビューを実施した。昨年の振り返りから、区長就任3年目を迎え、麻生区の印象や今年の重点施策などを聞いた。(聞き手/本紙・麻生区編集室 中島正裕)
――まずは昨年の振り返りをお願い致します。
「明けましておめでとうございます。昨年は全国的に風水害が多発し、9月の台風18号では、本市でも避難勧告が発令されました。その際、生じた課題をきちんと検証し、日頃の備えと、災害が差し迫ったときの的確な判断・行動を取れるよう、改善を進めているところです。
――麻生区で3年目となりましたが区の印象は変わりましたか?
芸術・文化が薫り、洗練されていた区の魅力が、彩り豊かになったと感じています。春のアルテリッカしんゆりは、宮前区や多摩区も会場となり、ジャンルの垣根を越えた川崎市北部の一大芸術祭に発展しています。また、アートと食の祭典「しんゆりマルシェ」が一昨年からスタートし、大学生やアーティストによる手作り感があふれる賑わいが、秋の新百合ヶ丘に広がりました。
区の特色である「農」についても取組が進みました。里地里山の風景が残る黒川で、地域や大学、行政が連携し、11月には地元の子どもたちが、黒川産の孟宗竹で竹行燈を製作したほか、田んぼや竹林にはアート作品が展示されました。
区の木「禅寺丸柿」は、PRキャラクターのかきまるくんが様々なイベントで活躍し、区の花「ヤマユリ」についても、種まきから5年後の開花にチャレンジするプロジェクトがスタートするなど、農や自然を前面に出したイメージアップが進展しました。こうした麻生区の魅力をさらに多くの区民に発信し、参加・体験していただくよう取り組んでいきます。
――2016年の重点政策について教えてください。
今年は、高齢化への対応がキーになります。麻生区は、5年後には市で最も高齢化率が高くなります。元気なシニアの活躍が目立ちますが、市民の平均寿命と健康寿命の差は十年以上あります。健康寿命をできるだけ伸ばし、生活の質を向上させることが大切ですから、介護予防や市民活動への参加を促進します。また、区内10カ所の公園を拠点に健康づくりを推進していますが、新たに作成したロコモ予防体操の普及にも力を入れます。
さらに、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けていただくための仕組みとして、多様な主体が地域で支え合う「地域包括ケアシステム」の基盤づくりにも取り組む必要があります。そのために地区担当制の導入など、区役所体制の再編も検討されています。区役所職員が積極的に地域に出向き、様々な団体や関係機関の皆様に伺いながら、進めていきます。
――麻生区における新しい動きはいかがでしょうか。
「子育て関連情報をどこで入手したら良いか分からない」という声に応えて、昨年1月から、麻生区「子育て支援アプリ」がスタートしました。対象年齢や地域に合わせて、子育てに関連する施設やイベント情報を簡単に入手できる便利なアプリで、利用者から高い評価をいただきました。4月からは「かわさきアプリ」として、防災を含めた情報の発信を予定していますので是非ご利用下さい。
――最後に区民へのメッセージをお願い致します。
「麻生区には、緑や芸術・文化など豊かな地域資源があり、四季折々の様々なイベントが開催されます。お気軽にご参加いただき、麻生区の魅力を発見してみてください。本年もどうぞよろしくお願いいたします」。
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