バス路線がなく、住民の高齢化も進み、近年コミュニティ交通の必要性が訴えられてきた麻生区岡上西地区で、9月12日からタクシーを活用した運行実験がスタートする。期間は12月9日までの約3カ月間を予定。本格導入へつながるか、地域住民の注目が集まる。
運行実験が行われるのは、鶴川駅近くの「人道橋前」から和光大学奥の「十番坂下」までの往復約4Km(左の地図参照)。岡上西地区の住宅地へ向かうこの道は勾配があり、高齢化が進む同地区では、交通機関の必要性が叫ばれてきた。2014年7月に地域住民から成る「岡上西地区コミュニティ交通導入協議会」が設立され、アンケート調査や導入に向けた話し合いを川崎市などと重ね、まずは運行実験を行う運びとなった。今回はコスモ交通株式会社の協力のもと、車いすやベビーカーの利用者も乗車できるユニバーサルデザインタクシーを主に使用し、予約制を採用。
運行は平日に限り、「十番坂下」発は午前7時30分から正午、「人道橋前」発は午前11時30分から午後6時30分の、それぞれ1時間に1〜2本ペース。事前予約制のため、予約のあった乗り場のみに停車する。車両は運転手を除くと4人乗り。運賃は1人400円(市高齢者特別乗車証明書、身体障害者手帳などの提示で100円引き)。
まだ課題も
一方で課題も残っている。多くの住民が買い物や通勤、通院に利用する鶴川駅から「人道橋前」までの直線距離は約150mではあるが、住民からは同駅前での乗降を求める声もある。しかし、同駅前まで車で行くには、迂回しなければならず、渋滞も懸念される。また、1人400円という運賃がネックとなっているほか、定期的に運行するバスの導入を求める声などもあがる。
同協議会の土屋隆寿会長は「今回は採算面を考慮し、空便をつくらないためにタクシーでの予約制を採ったが、将来的な理想としては、バスの定時定路線を目指していきたい」と話した。
予約番号は【携帯電話】080・4946・4893。
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