専修大学相撲部の主将で、「藤島部屋」への入門が決まった 福山 聖和(せな)さん 商学部4年 21歳
逆境に克つ「小兵魂」
○…専修大学相撲部の先輩でもある藤島親方(元大関・武双山)のもとで、今春から新たにスタートを切る。「歴史あるすごい部屋に入ることになった。応援してくれる人たちの期待に応えられるよう、まず十両、そして幕内で活躍できる力士になりたい」。172センチ、100キロの小兵。看板を背負う責任感を胸に、まっすぐ前を見つめる。
○…鹿児島県奄美大島で、物心ついた頃から相撲を始めた。子どもの相撲クラブ発足に父親が携わったことがきっかけで、その道へ。小柄で勝ちに恵まれず、「中学に入ったらやめよう」と考えていた。その後、転校先の中学校の相撲部で練習を見学。監督から「1年だけでいいからやってみろ」と声をかけられ、「体づくりのためなら」と続けることを決意。体重の半分以上ある石を抱えて校庭を延々と回る――強豪校ゆえに、そんな厳しい練習の日々。それでも地道に食らいつき、「相撲の基礎ができた」と確かな手応えをつかんだ。
○…高校は名門・鹿児島商業からスカウトされ、縁あって小学生時代の親友とともに相撲部へ。一番きつかったのは食事のノルマ。ご飯はどんぶり大盛り4杯で、多いときで1日6食が課せられた。「みんなが30分で食べ終わるところ、2時間かかったときもあった」と苦笑い。そんな中、支えになったのは「共に汗を流す仲間と、生まれ育った地元の応援」。さらに上を目指そうと、1部の専修大に進学。食事や練習メニューなど何事も自分でやる。そんな相撲部で自立心を磨き、一昨年12月からは主将に。10人の部を引っ張ってきた。
○…「自然があって、駅を離れると静かで落ち着く」。4年間、慣れ親しんだ生田キャンパスのある多摩区。昨年は向ヶ丘遊園のスナックバーでアルバイト勤務し、常連客との会話で視野が広がったという。「これから頑張れよって言ってくれる人もいて、ありがたい」。地域の人々の期待を背に、歩み始める。
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