区内高石在住の書家 笠原秋水さん(80・秋水書道会主宰)・逍汀さん(77)夫妻が、それぞれ「傘寿」、「喜寿」を迎えたことを記念し、初となる二人展をミューザ川崎で先月31日から6月5日まで開催した。
「『寿』が重なるなんて、他にない年だ。二人展をやろう」と思い立ったのがきっかけだった。
秋水さんは大学卒業後、秋水書道会を立ち上げ、小学校の教諭としても長沢小や中原小などで教鞭をとった。現在では書団「凌雲社」副会長も務め、地域では「麻生区文化祭」や「アルテリッカしんゆり」への作品展示、年始に開かれている恒例の「あさお七草粥の会」での席書を行っている。
逍汀さんとは高校時代の書道部の先輩、後輩の間柄で、約60年前の秋水書道会の立ち上げ当初から、ともに会を支えてきた。現在、同会には約40人の会員がおり、昨年まで24回にわたり、「秋水書道展」をアートガーデンかわさきやミューザ川崎で開き、会員らの作品を展示してきた。
言葉を表す書
秋水会書展のテーマは、「こころを言葉に ことばを書に」。自分の言葉を探し、自己を常に見つめ、書を通して自己表現していく。今回二人展のメイン作品となった秋水さん作の「川の流れのように」(秋元康作詞)は、この曲を歌った美空ひばりさんが先月29日に生誕80年を迎えたこともあり、辿りついたものだという。箱根町の千条(ちすじ)の滝をスケッチし、「滝の流れのように言葉を当てはめていった。自分の80年を千条の滝に重ね合わせて流し、『川の流れのように』に当てはめていった」と語る。
「わかりやすく庶民派感覚で」
今回秋水さんが展示した約20作も、逍汀さんによる約25作も、「漢詩だけでは、読めない人もいる」と、平仮名を交え書かれたものが多く披露された。秋水さんは「わかりやすく、庶民派感覚で吸収してくれたら嬉しい。今後も、人々にわかる言葉で表現して、共感していただける方がいたら、これ以上嬉しいことはない」と話す。
逍汀さんは「多くの方に来ていただき、色々な出会いがあり、何十年ぶりかに会う人もいて、開催してよかった」と語った。
恒例の「秋水書道展」は今後も開催していく予定だという。
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