川崎市内の消防団員数の不足が続いている。今年9月1日現在の団員数は1169人で、定員1345人に対し176人足りていない。消防団に求められる活動が充分に行えないことにつながりかねず、市消防局では危機感を募らせている。
団員不足は、市内にある8消防団全てで生じている。麻生区では定員153人に対し現員143人(不足10人)に留まっている。他区では市街地の不足が顕著で、中原消防団は定員265人に対し217人(不足48人)、川崎消防団は同166人に対し132人(同34人)、宮前消防団は同147人に対し120人(同27人)と続く。
消防団のなり手は、これまで地元の個人事業主や町内会の役員らが多かったが、最近では個人事業主や自治会・町会加入者などが減少していることも不足を生んでいる要因の一つとなっているようだ。
消防団の任務は火災時の出動やその訓練だけでなく、警察や消防と連携し有事における被災者救助、夜回りなどの警備、町内会や学校などでの防災訓練や救急講習指導など多岐に渡る。消防団員が不足すると、こうした活動に支障をきたし、団員への負担増が懸念される。
学生取り込む新たな制度も
市消防局では、団員の減少に歯止めをかけようと、今年3月から、市内に住む大学生や専門学校生らに入団を促す「学生消防団員活動認証制度」を導入。団加入から1年を基本に、その活動実績が認められると、市長から認証証明書が交付される。学生としては就職活動等でアピールできるメリットがあり、消防団としては若い団員確保につなげられる仕組み。現在は21人の学生が加入しているという。
また、入団促進を図る別の取り組みとしては、消防団員手帳を提示すれば割引などのサービスが受けられる「消防団応援事業」があり、市内の73店舗が登録している。登録店舗数は昨年から徐々に増えているという。
近年、全国的に自然災害などが増え、消防団の役割は増している。市消防局では、「地域の安全・安心のため消防団は必要不可欠。消防団は消火活動を行うイメージがあり敬遠する人も多いが、自分が住む街のためになるボランティア活動でもある。地域のつながりを感じられるのもメリット。身構えずにぜひ一歩を踏み出してもらえれば」と話している。
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