続く自然災害 想定外を想定内に! 川崎市議会議員 おいぬま 純
6月末〜7月上旬にかけて、西日本を中心とした「平成30年7月豪雨」、本州を西進した「台風12号」と、豪雨や強風による被害が発生しました。今なお避難生活を余儀なくされている方々や復旧に尽力される方々に心よりお見舞い申し上げます。
昨年も「九州北部豪雨」に対する見解を寄稿しましたが、また一歩踏み込んで身近な備え等を考察したいと思います。
平成26年豪雨の広島土砂災害から学ぶ
3年前、広島市八木地区の土砂災害現場を視察しました。発災から1年が経過し、県営住宅の整備は整ったものの、砂防ダム建設には時間を要していました。7月豪雨では砂防ダムの決壊があり「これで安全」という想定を改めて確認することが重要だと感じました。
現地の消防団の友人より
平成26年と今夏の豪雨の両方に消防団員として出動した広島の友人がいます。彼は「行政からの避難指示などは格段に速くなったが、その情報を得る前の、各々における避難の重要性を肌で感じた」と話しています。避難勧告は自治体の過去データから、危険性があると判断した時に発令されますが「それを待たずに気象予報等の段階でハザードマップに示される危険地域から脱しておくべき」と語っていました。
警報発令時には既に移動困難になっていた事実を目の当たりにし、避難所が開設されていなくても親戚や友人、近所の安全な住宅へ身を寄せるべき、とのことです。
区の対応はどうだったか
7月28日午後5時30分、麻生区では台風12号の接近・通過に伴い、土砂災害警戒地域に対し避難準備・高齢者等避難開始が発令。その後広報車が避難所の開設を知らせて回りましたが、強風に掻き消される事もあったようです。情報伝達は行政無線やメールなど様々な手法が準備されていますが、活用状況の振り返りが重要だと感じました。
区内の避難所を訪問して
当日は区内の避難所を訪問しましたが、地域や行政の方々が遅くまで対応して頂いていました。ただこの日は深夜でも気温は30度を切らず、暑さ対策も必要だと痛感。避難された方はいませんでしたが「もしここで一夜を過ごすなら…」と考えると熱中症対策は最重要課題ですし、扇風機の準備、扉開放による虫の飛来防止策など、まだまだ対応は後手に回っている所感を持っています。更に一歩先の想定を形にすべき段階にきています。
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