認知症の正しい理解や早期対応を目的とした「あさおもの忘れガイドマップ」が先月末に完成し、区内で配布が始まった。区内認知症高齢者数は2030年には約1万3千人と想定され、対策が進められている。
区単位での認知症支援ガイドマップの作成は市内では麻生区が初めてとなる。主なターゲットはこれから認知症になるかもしれない人。早期発見、対応により症状を緩やかに進行させ、当事者が希望する生活を送ることができるようにするねらいだ。冊子のタイトルは認知症に対するハードルを下げようと、「もの忘れ」と付した。地図には認知症の人や地域住民が参加できる「認知症カフェ」の会場、地域包括支援センター、老人いこいの家などの場所を記載。医療機関といった相談先やもの忘れを心配する人や家族へのアドバイスも盛り込まれている。
認知症高齢者は2倍に増加想定
区内における認知症対策は喫緊の課題だ。第5期麻生区地域福祉計画によると、区内の認知症高齢者数(65歳以上)は2015年には推計5990人だったのに対し、2030年には2・1倍の12587人に増えると想定されている。
そこで麻生区では、行政や地域包括支援センター、認知症家族会、認知症サポーターなどで構成される「あさおオレンジプロジェクト(麻生区認知症ケア推進会議)」を2015年から実施。「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」を目指し、認知症の理解を深める広報活動や家族会支援などを行っている。冊子は、プロジェクト内で当事者や家族の声を取り入れた認知症支援マップの作成が以前から検討されており、今回実現した形だ。
区の担当者は「認知症に関心、興味を持ってもらい、行動するきっかけにしてほしい。医療機関や薬局などともネットワークを構築できれば」と話している。ガイドマップは区役所や地域包括支援センターなどで配布中。問合せは区地域みまもり支援センター【電話】044・965・5160。
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