明日8月15日で終戦から75年。戦前、戦中、戦後の教科書を集めた企画展が、柿生郷土史料館(柿生中学校内)で開催されている。約150冊の教科書から、戦争が教育に与えた影響が浮かび上がる。
同館で9月27日まで開催する「続 戦中・戦後の教科書展」は、3年前に実施した内容に、新たに見つかった教科書を加えて再度特別展として開催。ほとんどの教科書は、琴平神社(王禅寺東)の先代住職が集めたものだ。教員も務めていた先代宮司。資料として、戦時中の教科書や、戦後に縁者が通った柿生中で使用されていた教科書を同神社に残していた。展示では自由に手に取って閲覧可能。
時代の変遷ごとに並べられた教科書から、国と教育の関係がうかがえる。1945(昭和20)年の終戦まで、当時の文部省が教科を一律で発行していた。1939(昭和14)年発行の日本史の教科書「中學国史通記 初年級用」の中には「壬申の乱」の記述がない。同館専門委員の小林基男さんは「国が都合の悪いことは隠してしまったのだろう」と解説。
戦時中の1943年に発行された中には中学校の英語文法教科書も。敵性語として禁止されていたが、当時の中学校は大学に進学するエリートが通う学校。「戦時中は外国語が規制されていたが、エリートの学生には学校で英語を教えていた。そういう国の考えもわかる」と小林さん。
中学校の中にある郷土史料館で開催されている教科書展。小林さんは「戦前と戦中、戦後とで、内容がかなり変わっている部分がある。若い方にもぜひ見てほしい」と話している。
8月は土曜日、9月は日曜日に開館(8月15日、9月6日休館)。
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