麻生区在住の薬剤師、中北英紀さん(64)が絵本「たたかう ざーやくマン」を出版。「薬と体のしくみを親子で理解するきっかけになれば」と思いを1冊に込めた。
物語は、インフルエンザにかかった男の子のもとにくすりの国の妖精「ざーやくマン」(坐薬)が登場。体内に入り、白血球らと協力してウイルスを退治する。
「楽しみながら学べる」
中北さんは薬の形状からオリジナルキャラクターを作成したことを契機に、生理学に関する絵本を作ることを考えた。薬剤師としての知識をもとに、同じ大学出身の医師らに相談しながら作り上げた。
イラストはすべて、中北さんがクレヨンや色鉛筆などで手描きしたもの。「子どもでも描けるようなシンプルな絵で、親しみをもちやすいようにした」と語る。絵本には迷路のページもあり、楽しみながら学べる工夫を取り入れた。
40年前に開業し、百合丘と多摩区で調剤薬局を経営してきた中北さん。24時間受付の電話相談や薬局内でコンサートを開催するなど地域に身近な薬局づくりに努めてきた。尽くしてきたのも「薬剤師として信念を持って薬局をやりたかった」からだ。現在は会社を手放したが「絵本で世の中の役に立てば」と穏やかに語る。
絵本は昨年度の「神奈川県児童福祉審議会推薦優良図書」に選定。また、絵本を発表したことが縁で子ども専門の電話相談「かわさきチャイルドライン」のカードイラストも担当した。次回作は「相互作用や薬の組合わせもわかりやすく伝えられたら」と構想を練っている。
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