区内の音楽家夫婦を中心とした「すすきだ音楽隊」は、被災した宮城や岩手、福島、熊本で2013年から演奏活動を続けている。
細山在住のバイオリニスト・薄田真さん、打楽器奏者・すすきだ真樹さん夫妻。読売日本交響楽団のメンバーの真さんが休みを取れる1、2週間ほどの日程で、各地の仮設住宅の集会所などを訪問。奏者と客席の距離が近い会場で、夫妻のバイオリンとマリンバを軸に、ピアノや箏、三味線などその時々で同行できる奏者仲間も集い、聞きなじみのあるクラシックや訪れる地域に縁のある曲を演奏してきた。演奏指導や楽器支援も行う。
「演奏することで喜んでもらえれば」と始めたが「開始直後は自信がなかった」と振り返る真さん。活動を続け数年、何度も訪れた地で、観客の一人が「めったに泣くことがなかったが音楽を聞いたら自然と涙が流れて、浄化された気がした」と語ったという。真さんは「くり返してきてよかったなと思った」、真樹さんは「音楽そのものに力があると実感した」と話す。
「お帰りなさい すすきだ音楽隊」のメッセージを会場に貼り、再訪を心待ちにしてくれていた場所もあった。コロナ禍で昨年は被災地を訪問できず、もどかしさがあった。状況次第だが、今年は夫妻で可能なところを訪れたいと考えている。
被災地で活動をしながら、変化する街並みや、元に戻らない現状も見てきた。「被災地を知れば知るほど、音楽は必要なんだと思うようになった。10年は区切りではない」と真さん。2人にできることを続けていく。
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