「マフラーを巻いたロバ君を持っている困っている人がいたら、施設に連絡を」--。小規模多機能セントケアゆりがおか(高石)で6月27日、認知症サポーター養成講座が開かれ、受講した施設利用者に「ロバ君」ストラップが手渡された。ストラップには赤、白、黄色のマフラーが巻かれており、高齢者の迷子対策が目的。地域での見守りを呼び掛けている。
認知症について正しく理解し、偏見を持たずに認知症当事者や家族を温かく見守る支援者である「認知症サポーター」。市内でも認知症に優しいまちづくりを目指し、各所で養成講座が開かれている。同講座を受講すると「認知症サポーターカード」と、受講者の証であるオレンジリングを授与。区内では、認知症サポーターキャラバンのマスコットキャラクター「ロバ隊長」をモチーフにした「ロバ君」ストラップが配られている。
セントケアゆりがおかでは、定期的に認知症当事者や家族が交流したり、一般の人向けに認知症予防講座や認知症サポーター養成講座を開く認知症カフェ「オレンジリング百合丘」を開催。同カフェに参加する手芸好きの人たちが集まって結成された「ロバ君倶楽部」がストラップを製作している。
目印は3色マフラー
今回は、初めて施設利用者向けに養成講座を開催。受講後には、同倶楽部のメンバーからストラップが渡された。渡されたストラップは、同施設のカラーでもある赤、白、黄色のマフラーが巻かれているのが特徴だ。
この取り組みを発案したのは、同施設の洞綾子所長。利用者が一人で通所するケースなどもあり、迷子になった際に自ら名乗れない時でも、同施設の利用者であることが分かる目印にすることが目的だ。洞所長は「自宅からすぐ近くでも帰ることができなかった方もいる。名札やGPSなどの迷子対策はあるが、地域の方にわかりやすいようにと思った。このストラップを付けている方が困っていたら、ぜひ施設に連絡をしていただければ」と地域住民に向け呼び掛ける。
ロバ君倶楽部は「こうして活用されるのは初めて。地域の見守りに役立ってくれるとうれしい」と話す。洞所長は「地域でこうした認知症への見守りの取り組みが広がり、認知症に優しいまちになっていければ」と期待を寄せる。
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