川崎市教育委員会は高校奨学金支給制度について、入学支度金の支給時期を現行の5月から入学前の3月に前倒しするとともに、対象を高校相当の学校ほぼ全てに拡充するとの方針を明らかにした。市議会12月定例会に条例の改正案を提出し、この秋の申請者から適用したいとしている。
市高校奨学金制度の入学支度金は、これまで入学後の進学届の確認後に支給していたが、制服や教材の購入などの費用負担は入学前にあるため、実態にあわせて前倒しする。合格通知の写しの提出により、口座に振り込み、入学後にも別途確認作業を行う。
一方対象校の拡充は、支給認定後に進学先の学校が対象外だったと発覚し無効となる事態を避けるための措置。対象を高校相当のほぼ全てとした。
市教委によると、申請の提出時は進学先が未確定のため、認定後に対象外の学校に進んでしまったり、保護者も対象外の学校があることに気付かずに、これまでは認定後に無効になるケースがあったと説明。今改正で「より学びの機会が広がる」としている。また現在、対象外で奨学金を受けていない学校の生徒も次年度から支給の対象とする。
能力があるにもかかわらず経済的理由で修学が困難な生徒に対し支給する市の高校奨学金は、入学支度金と学年資金がある。
入学支度金は、国公立で4万5千円、私立で7万円。募集人員は150人程度。また学年資金は国公立で1年生に年額3万6千円、2年生に6万1千円、3年生に4万6千円、私立で1年生が6万円、2年生が8万5千円、3年生が7万円を支給し、募集人員は600人程度となっている。
今年度の総予算は4322万5千円(昨年度同額)。
今年度の入学支度金の申請は239人(前年度217人)、学年資金は970人(同899人)。市教委では「申請は増加傾向にあるが、今回の拡充による増加は20人程度」とみている。
市教委は10月8日までパブリックコメントを実施中。市では12月定例会に市高校奨学金支給条例の改正案を提出。今秋に申請する生徒からの適用をめざす。
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