川崎市は東日本大震災直後から使用を控えていた公共工事の埋め戻しで使う改良土について、4月からの使用再開を発表した。震災から7年が経過し、放射性物質濃度が低減したとして自粛を解除。削減される事業費約1億円を市は新たな水道工事などに充てる方針だ。
市はこれまで上下水道管工事の際、掘り起こした土に替わり、石などを取り除き、汚泥焼却灰などで水分を調整した改良土を埋め戻し材として利用。この土は2010年から横浜改良土センター(鶴見区)で作られたものを使用していたが、震災発生後の調査で汚泥焼却灰に含まれる放射性物質が国の示す基準「1kgあたり100ベクレル」を超えていたために利用を自粛していた。横浜市は灰の量を調整するなどした基準値内の改良土を継続使用したが川崎市は「万全を期すため」(市建設緑政局)と使用を控えてきた。
改良土の使用自粛期間、川崎市では埋め戻し材として別途砂を購入し対応。また掘り起こした土は市臨海部に持ち込んでいたが、改良土の購入よりも1㎥あたり800円ほど割高な埋め立て費用も発生していた。
工事件数増へ
市建設緑政局によると、18年度の工事計画では約46000㎥の土が掘り起こされる予定。センターにこの土を持ち込み同量の改良土を購入し、使用することで9600万円以上の費用が削減される見込みだ。同局は「昨年下旬から放射性物質の平均値が飲料水基準(1kgあたり10ベクレル)まで低減したため、利用を再開することになった。約1億円の事業費は老朽化している水道管の更新工事に充てたい」と期待を込める。
横浜改良土センター担当者は「建設発生土のリサイクルを推進する事業でもあるので、川崎市についても改良土の利用を促進してもらえれば」と話している。
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