61年振りの学校訪問 生田中の第3期生、喜寿を機に在校生と対話
「生田魂、後世に繋いで」
川崎市立生田中学校(下村佳史校長)の第3期生同窓会のメンバーが先月28日、61年振りに母校を訪れた。在校生の歓迎を受けた同窓生らは、今も脈々と受け継がれる”生田らしさ”を確認し、母校の未来を担う若き後輩たちにエールを送った。
「私たちがここに通い始めた当時はね、バラック建ての校舎で、みかん箱を机代わりに勉強したんだよ」―。今年喜寿を迎える同窓生らは在校生に、当時のことを話し始めた。
昭和22年、戦後まもなく6・3制が施行された直後に1年生として入学した面々だ。生田中学校は1年生98人、2年生66人、登戸や柿生(麻生区)から転入してきた3年生115人でスタートした。まだ中学校が少なかった当時は、現在の麻生区(主に高石・細山)から通う生徒もいたが、この第3期生は卒業後も皆家族のように親交を深めてきたという。
戦中、弾薬庫として使われていた建物を活用した校舎は天井や床に穴が開き、およそ今の校舎と比較できるようなものではなかった。生徒たちは近隣の高津区の小学校まで足を運び、椅子や机を調達したという。
大先輩を歓迎
今から60年以上前の様子や当時の貴重な話に熱心に耳を傾けた在校生らは、現在の校舎を案内するなどして”大先輩”を歓迎した。音楽室や体育館、武道場では、吹奏楽部、バレー部、剣道部などが練習風景を披露した。吹奏楽部の校歌斉唱に目頭を熱くしていた同窓生のひとりは「生徒の心遣いに感動した。心温かく迎えてくれた彼らの優しさは”生田の宝”と言えるだろう」と話した。
同窓会の代表幹事として学校訪問を企画した長沢在住の根本政夫さんは「今回の訪問で一番感動したことは、校舎の中ですれ違うどの生徒もあちらから私たちに挨拶を投げかけてくれたこと。規律の正しさと温かい心は生田らしさの象徴。伝統としてぜひ後世に繫いで欲しい」と話している。
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5月10日
5月3日