宿河原堀沿い まちづくりに独自ルール 条例活用 初めてのケース
二ヶ領用水宿河原堀にふさわしい落ち着いたまち並みを保全しようと、宿河原地区の住民グループが独自のまちづくりルールの策定に取り組んでいる。川崎市の条例を活用した取り組みとしては初めてのケース。
宿河原堀の遊歩道沿いには桜並木が続き、美しい景観を残している。住民グループ「二ヶ領用水宿河原堀を愛する会」(關(せきやま)山(せきやま)武男会長)が桜の保全や管理に取り組んでいる。
ルールづくりはこの景観を守ろうと、同会が発案。昨年4月に施行された「川崎市地区まちづくり育成条例」を活用するため、まちづくり協議会を立ち上げ、第1号組織として今年5月に認定された。
協議会が提案した基準案は、宿河原堀沿い2キロの約700世帯を対象に▼建築物の色彩▼敷地の緑▼屋外設備▼建築物の高さ規模――の4項目。外壁や屋根の色彩基準を設け、建物による圧迫感を軽減させるため用水側の高さを抑えるように求めた。エアコン室外機や自動販売機などの設置場所の配慮に加え、用水側の敷地の緑化も求めた。
まちづくりのルールには地区計画や建築協定といった法的実行力が高い制度があるが、同条例の基準に適合しない建築物を強制的に変更させる実行力はない。市まちづくり局の担当者は「紳士協定では担保が得られないが、条例によって組織が認定され、住民や不動産業者にルールを周知できるのがメリット」と話す。
同協議会とまちづくり局では今後、8月に行ったアンケート調査の結果を公表し、ルール策定に生かしたい考え。關山会長は「この景観を孫の代まで残したい。住民の意思をまとめるのは難しいが、一定のルールは必要。合意を得て進めていきたい」と話している。
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5月3日
4月26日