「ふるさとの川」として川崎市がシンボルの一つに位置づける多摩川を活用、保全しようと、市は10カ年計画「新多摩川プラン」を4月から運用開始。景観保全や防災教育などをキーワードにした5本柱に、推進施策30項目と100事業を設定している。
今回の計画では2007年に始まった「多摩川プラン」を、自然環境や市民ニーズの変化などを踏まえて再策定。多摩川流域のうち、川崎市が運動施設や広場として使う110ヘクタールが計画の中心になっている。
7つの基本目標を掲げた前回計画を踏まえ、【1】自然環境・景観の保全【2】治水整備・防災教育【3】歴史的資源の活用・環境学習の推進【4】施設の利便性向上【5】流域連携・協働事業の推進――の5本柱を設定。東日本大震災や昨年の鬼怒川決壊などを教訓に、「多摩川を知り災害から市民を守る」と題した、防災に着目した基本目標を盛り込んでいる。
自然学習で防災啓発へ
二ヶ領せせらぎ館(宿河原)を活動拠点にする市民団体「NPO法人多摩川エコミュージアム」では、子ども向けの自然学習を毎年開催。多摩区内十数校の小学校から年間約1千人の児童を受け入れている。市多摩川プラン推進会議の委員で、同法人代表理事の齋藤光正さんは「流域の多摩区や幸区、川崎区など区ごとに、海抜の高低などを色別に示したハザードマップがある。自然学習を通じて、マップの存在を周知していきたい」と話す。同団体では今年度の試みとして、こうした防災教育の推進も計画中だという。
新多摩川プランについて、市は昨年12月から1月にパブリックコメント(意見公募)を実施。21通71件が寄せられ、計画が策定された。市建設緑政局は「東日本大震災のときは、堤防の歩道が帰宅路にもなった。市民団体の活動や企業、学校等との連携を通じて、多摩川が資源として幅広く活用されれば」としている。
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