台風19号の大雨による多摩区内の浸水被害が約350件だったことが、川崎市の集計で分かった。主な浸水地域は菅稲田堤2丁目と3丁目、堰1丁目、布田。区危機管理担当は10月16日、菅稲田堤と堰で罹災証明書申請の臨時窓口を開設した。
排水路などの雨水処理能力を超える大雨で市街地が浸水する「内水氾濫(はんらん)」が12日、多摩区でも発生。16日に2カ所で開設された臨時窓口では、家屋浸水の衛生対策として、区衛生課による消毒方法の指導も行われた。
町会主体で組織する多摩区自主防災組織連絡協議会は、11月の研修会で課題や反省点を共有する予定だ。多摩区町会連合会、菅町会で会長を務める濃沼健夫さんは「被災者に対し、まずはできるだけ早期に対応することが第一。台風の直後に、身近に被災者がいるという情報を、いち早く地域内で共有する必要性を感じた」と課題を挙げる。
菅に「お手伝い本部」
18地区に防災地区長を配置する菅町会では、台風直後の13日、被災者の支援要請に対応しようと菅第4公園に対策本部を開設。ポンプを積んだ車で町内を巡回し、浸水した家屋から水をくみ出した。さらに、区役所経由の1世帯を含む5世帯の浸水被害者から仮住まいの相談を受け、地区内の集会所を提供した。
雨天の14日をはさみ、15日には同公園で「お手伝い本部」と称して支援活動を行う有志を募集。同日朝から町会の広報車で呼びかけ60人以上が集まり、家具や資材など災害ごみの分別や集積所への運搬を担った。
市危機管理室の今月18日の発表によると、今回の浸水被害は市全体で1700件に迫り、最多の中原区が約720件、高津区の約560件に多摩区が続いた。区危機管理担当によると、15日から20日までの多摩区の罹災証明書申請件数は200件を超えたという。
多摩区内の被害では他に、風で転倒した50代男性1人が軽傷。軽微な土砂崩れは長尾で1カ所、倒木は枡形、宿河原、南生田、生田2カ所の計5カ所。道路冠水は布田、菅稲田堤、宿河原、堰の4カ所で発生した。
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