多摩消防団(増田朝光団長)は8月1日付で、大規模災害対応や広報などに限定して活動する「機能別団員」を初めて任命。元生田分団部長の稲木剛さん(60)=長沢在住=と、元宿河原・堰班副班長の吉場保さん(40)=堰在勤=が着任した。年々減少傾向にある消防団員を支える立場として、これまでの経験を生かしながら新たな役割を見出していく。
災害対応能力の向上や消防団員の確保を目的とし、川崎市で昨年4月に導入された「機能別団員制度」。常に地域防災のための役割が求められる既存の消防団員(基本団員)に対し、「機能別」では補助的に特定の役割を担当。災害時の基本団員の補助や救護所等での活動をする「大規模災害団員」と、イベント等でPRを行う「広報活動団員」に分けられる。
現場経験に期待
市内では昨年6月に中原区で初めて任命され、次いで川崎区、宮前区、幸区で昨年度始動。他区では元消防職員組織や地元企業、スポーツチームなど、団体から任命されている例が多い。一方多摩区では、災害時に現場の補助的役割を担うことができる元団員に着目。今春の退団者に声をかけ、2人が最初の機能別団員に決まった。
稲木さんは42歳のとき、長沢班に入団。機関長として車両を任されていた10年近く前、宮前区の大規模火災に対応したことが記憶に残る。「18年間お世話になった。今までの経験を生かせたら」と稲木さん。「まず自分が機能別団員になることで、既に退団した方たちも始めるきっかけになれば」と思いを話す。
吉場さんは10年前、東日本大震災直後の春に入団。同年創設された、災害時に重機で障害物撤去等を担う「機動部隊」も経験した。一昨年の台風では、堰の職場近くで浸水した現場を目の当たりに。吉場さんは「活動する機会(災害)がない方がいいが、起きた際には地域の方のお手伝いができれば」と備え続ける。
多摩消防団の現在の団員数は、定員175人に対し159人。機能別については今後も増員する予定だという。増田団長は「これからも退団時に呼びかけていく。最終的には班に1人ずつくらいを目指し、各地域を引っ張ってもらえたら」と展望を話している。
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