衆議院議員総選挙の投開票が14日に行われ、前職3人・新人1人で争った神奈川9区(多摩区・麻生区)は民主党の笠浩史氏が激戦を制して5選を果たした。自民党の中山展宏氏は比例代表で復活当選した。
前回と同じ顔ぶれで前職が3人という神奈川9区は、事前の予想通り接戦の展開となった。午後8時になってテレビ各社が自民党候補の当選確実を続々と伝える中、笠氏と中山氏の両陣営の事務所は張り詰めた空気に包まれていた。
神奈川9区の小選挙区の結果がテレビで伝えられたのは午後11時過ぎ。笠氏の事務所は、詰めかけていた50人ほどの支援者の歓声が沸いた。間もなくして笠氏が事務所に姿を見せ、「今回はこれまでで一番厳しく、難しい選挙だった。強い、しっかりとした野党をつくれるように5期目もがんばっていきたい。近い将来、政権を担えるよう、今日という日をスタートにしていきたい」とあいさつ。支援者らと握手したり抱き合ったりして喜び合った。
笠氏は前回衆院選でも逆風をはねのけて小選挙区で当選。今回の選挙では野党間で候補者の調整が進む中、神奈川9区では一本化できない状況だった。それでも元文部科学副大臣としての実績や知名度の高さに加え、教育や子育てといった人づくり中心の政策を訴えて支持を固めた。
一方、中山氏の事務所では、小選挙区の結果が伝えられると支援者らが大きなため息をついた。情報を確認しようと関係者の声が飛び交い、緊張が走る場面もあった。
11時50分過ぎに比例代表で復活当選が伝えられると、中山氏は沈痛な面持ちで事務所に姿を見せ、「非常に悔しい思い。自民党がこれだけ信任されている中、小選挙区で勝てなかったのは私自身の力不足。これまでの政治の歩み方、地元での活動の仕方を考え、猛省する」と頭を下げ、悔しさをにじませた。
前回も比例代表で復活当選した中山氏は小選挙区での勝利をめざして選挙戦を展開してきた。自身の専門分野である財政健全化やアベノミクスの効果を訴えてきたが、思うように票が伸ばせなかった。
前回、みんなの党として比例代表で復活当選して今回は維新の党で立候補した椎名毅氏は議席を獲得できなかった。「応援してくれた方の期待に応えられず申し訳ない。敗因は自らの力不足。いわゆる風という外的要因はなかった。引き続き地域に根付き、捲土重来を期していきたい」と語った。
全国で議席を大きく伸ばした共産党だったが、新人の堀口望氏は議席を獲得できなかった。
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