70年前、多摩区内の軍事施設でいったい何が行われていたのか――。明治大学平和教育登戸研究所資料館で8月5日から、新たな企画展が始まる。戦後70年の節目に新たな証言や資料を加え、アジア太平洋戦争で極秘の兵器開発や秘密戦の中核を担った軍事施設の真実に迫る。
登戸研究所は旧日本陸軍の秘密戦の中核を担っていた施設。戦時中、細菌兵器や風船爆弾、相手国の経済を混乱させるための偽札などが作られた。作戦終了後、研究所は多摩区内と長野県内に分かれた経緯がある。
研究所の存在は戦後も秘密にされてきたが、80年代になって市民による調査が進み、実態がわかってきた。研究所の大半は解体されたが、跡地の一部を購入した明治大学が2010年に資料館として開設した。
今回で6回目となる企画展のテーマは「NOBORITO1945〜登戸研究所70年前の真実」。9月26日までの第1期では、戦時中に行われた風船爆弾作戦や研究所の分散・疎開、「本土決戦」への準備が進められてきた実態に焦点を当てる。
11月18日から来年3月26日までの第2期では、敗戦後に膨大な証拠物件と兵器類の焼却・破壊が進めた証拠隠滅作業に焦点を当てる。
今回新たな調査として、長野県の登戸研究所で少年工員として働いていた人にインタビューを行い、新たな事実を加えた。また、研究所の工場跡地から出てきた謀略兵器の一部と推定されるものなど当時の貴重な現物を展示する。
館長の山田朗さんは「敗戦の年に焦点を当て、新たな調査にもとづく展示ですので、ぜひともご来館下さい」と話している。
入館料無料。資料館の会館時間は午前10時から午後4時まで。日曜日から火曜日は休館。
問い合わせは同館(【電話】044・934・7993)。
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