川崎市立中学校の完全給食に向け、多摩区の中野島中学校など市内4校で、今月11日に給食が始まった。校内で調理する「自校方式」と給食センターから運ぶ「センター方式」により、全52校で年内に給食が運用される。
中野島中と犬蔵中(宮前区)は自校調理場方式、はるひ野中(麻生区)は小学校との共同調理場を活用。東橘中(高津区)では1年間の試行を経て、同日から本格運用している。
中野島中(高城英一校長/821人)では、昨年11月に給食室を新設。運用前の12月26日に「プレ給食」で120人分を調理。教諭やPTA役員、部活動の生徒らが試食した。高城校長は「温かい食事が喜ばれている。弁当と違い、皆で一緒に同じものを食べるので、会話も弾んでいる」と手応えを話す。
開始から1週間ほど経った20日の献立は、ご飯と照り焼きハンバーグ、大根のクリームシチュー、スパゲッティソテー、牛乳。2年1組では欠席6人で35人だったが、おかわりする生徒が列をつくり、次々に料理がなくなっていった。
「お弁当だったときよりも量が多くて、午後も元気に活動できる」とバスケットボール部の國分翠太(そうた)君(14)。美術部の佐藤夏樹(なつき)さん(14)は「みんなで同じご飯を食べるので、友達との共通の話題になった」と話し、「季節料理など、食べたいメニューを月1回とかリクエストできたらいい」といった要望も挙がった。
地産地消・食育も
給食の献立には市内産の地場野菜を多く取り入れ、食物アレルギーの生徒には学校で個別相談に対応するなど、地産地消や食育にも注力している。箸やスプーンは各自で持参し、給食当番の生徒が運搬や盛り付けを行う。
市立中52校のうち、給食センターを活用する「センター方式」は48校。川崎・幸区の全域と、高津・宮前区の一部を対象とする「南部学校給食センター」は9月に稼働。中原区の全域と、高津・宮前・多摩区の一部が対象の「中部学校給食センター」、多摩・麻生区が対象の「北部学校給食センター」は12月に稼働予定だ。
福田紀彦市長は「センター方式では配送などの課題もあるが、スケジュールに沿って進め、成功させたい」と意欲を見せている。
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