川崎市が優れた技術、技能で産業振興や市民生活を支える現役の職人を表彰する「かわさきマイスター」事業が、創設から20年を迎えた。あす5月13日に行われるイベントでは、マイスターたちの実演のほか、その歴史を振り返る記念企画展などが行われる。
同事業は1997年度に始まり、これまで溶接技能士や家具技能士、写真師など工業や衣食住のさまざまな分野から91人69職種のマイスターを認定してきた。マイスターたちは技術、技能の伝承を目的に市内の学校や各区のイベントで実技指導や技を披露している。マイスターの技を結集した「ものづくりの匠プロジェクト」では老朽化した置時計の修復に取り組むなど、製作活動も行ってきた。
市は20年間の成果について「イベント出展や学校派遣等が年々増え、技能を尊重する社会の形成に寄与し、卓越した技術と技能の普及、啓発を図ることができてきているのでは」と振り返る。2011年度に「金属ヘラ絞り」でマイスターに認定された(有)相和シボリ工業(高津区)の大浪忠代表は「マイスターに選ばれ、工場で学生を受け入れる機会が増えた。ものづくりの面白さを感じてもらえるとともに、こちらも励みになっている」と話す。市は引き続き同事業を推進し、「マイスターの優れた技術が途絶えることなく将来に引き継がれていくよう技能承継、後継者育成に取り組んでいかなければならない」としている。
あす13日には、匠たちの技術を体感できる「かわさきマイスターまつり」がJR武蔵溝ノ口駅南北自由通路で行われる。時間は午前11時〜午後5時、当日はマイスター26人が参加。事業創設20周年を記念した展示会や実演、ヘラ絞りビアマグや手描友禅などマイスターのつくる製品の展示、販売のほか、食品サンプルの製作体験や無料相談なども行われる。問合せは市経済労働局【電話】044・200・2242。
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