2月に都内で行われた第15回「世界学生囲碁王座戦」で、大会初の連覇を果たした専修大学商学部(生田キャンパス)3年の大関稔さん(22)。国内外のアマチュア大会に挑む一方、同大学の囲碁部部長としてチーム運営や管理、後輩の指導にも力を注いでいる。
インターネット対局によるトーナメント戦で、64人参加の予選を勝ち抜いた12カ国、地域の代表16人で争われた学生王座戦。大関さんは豪州、中国、台湾、米国代表と対局し、4戦全勝で頂点に立った。
幼少から大会に挑み続け、経験値と実績を積み上げてきた大関さん。「勝つためにはメンタルが大事。どういう勝ち方でも一つの勝利で劇的に何かが変わる」と語気を強める。
全日本の学生3大タイトルとされる本因坊決定戦、囲碁王座戦、囲碁十傑戦を制し、昨年は全国アマチュア本因坊決定戦で優勝。見据えるのは9月に日本代表決定戦がある一般の世界戦だ。昨年7月のアマチュア名人戦はベスト8で涙を飲んでおり、リベンジを誓う。
藤沢市に住む大関さんは、小1の冬に偶然手にした漫画「ヒカルの碁」で囲碁を知った。友人の誘いで春休みから囲碁の子ども教室に通い始め、翌年には実力を認められて初段以上向けの教室へ。そこで師匠の小島高穂九段に出会った。
小6から高2まで、プロ棋士の卵にあたる「院生」として指導を受け、高1のとき5段階で最上位にあたるAクラスの1位に上りつめた。4年前から2年続けてプロ採用試験を受けたが、16人のリーグ戦で上位1、2人という難関を突破できず、2回とも不合格。再出発しようと翌年、専修大学2部に入学し、2年生から1部へ移った。
囲碁部顧問の内野明教授(62)は、大関さんにとってゼミナールの指導教員でもある。「在学中に一つでも多くの大会で優勝することを期待している。海外の大会に備えて、英語を含めて勉強もしっかりやってほしい」とエールを送る。「大学対抗戦で勝って、後輩たちに何か残せれば。他大学との交流など、部員が入りやすい環境も整えていきたい」と大関さん。視野を広げ、己を磨き続ける。
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