プロバスケットボール「Bリーグ」1部のチャンピオンシップ決勝が5月27日に東京・国立代々木競技場で行われ、中地区1位の川崎ブレイブサンダースは、東地区1位の栃木ブレックスに79―85で惜敗。リーグ開幕元年を飾る初代王座を獲得できなかった。
観客1万144人を集めた頂上決戦は、今季49勝11敗でレギュラーシーズン勝率1位の川崎と、日本人唯一のNBA(米プロバスケ)プレー経験者の田臥勇太選手(36)が主将を務める強豪栃木の対決になった。
残り1分まで1点差ゲーム
川崎は序盤から主将の篠山竜青選手(28)を起点に得点を重ね、21―21の五分で第1クオーターを終えた。6点を追う展開で前半を折り返したが、第3クオーターを終え63―59の4点リードで最終クオーターに突入。ラスト残り1分台まで1点差を争う点の取り合いが続いたが、栃木の猛攻で徐々に点差が開き始める。エースの辻直人選手(27)、篠山選手が3点シュートを狙うなど最後まで粘りを見せるも決まらず、6点差で試合終了を迎えた。
川崎の北卓也ヘッドコーチ(45)は「栃木ファンが圧倒的に多くて人気のあるチームだなと感じたが、負けたのは私の責任。Bリーグも天皇杯も決勝に行って、同じ悔しい思いをさせてしまった」と振り返り、「リーグとチームを盛り上げるために、選手たちは1年間本当によくやってくれた」と感謝を込めた。
篠山選手は「田臥さんに『まだまだ甘いよ』と言われているような試合になった。勝負所で(自分は)パスミスをしたが、田臥さんは得点につながるプレーを選択していた。プレーの質一つひとつがまだまだ」と分析。「リーダーシップをとって、チームを勝利に導けるポイントガードに成長したい」と奮起を誓った。栃木の田臥選手は「チーム全員で積み重ねてきたことが決勝で形になった。これだけ多くのお客さんの前で試合ができるのは、選手としてこんなに嬉しいことはない」と充実感をにじませた。
多摩区から訪れた石垣謙一さん(56)は「(川崎は)勝率もずっとよかったし、チームとして安定していた。この力を引き継いで来季も頑張ってほしい」と激励。新潟県から応援に駆けつけた福嶋沙也佳さん(30)は「勝つと思っていたので、すごく悔しい。川崎は誰かがミスしてもカバーするし、一体感がある。リーグで一番チームワークがいいと思う。来季こそ優勝してほしい」と胸中を語った。
川崎は昨年、前身の「東芝ブレイブサンダース神奈川」としてナショナルリーグ(NBL)を制覇。その後、NBLとbjリーグが統合し、昨秋誕生したBリーグに参入した。1部は東、西、中地区の計18チームが5月上旬までレギュラーシーズン60試合を戦った。
上位8チームがトーナメント形式のプレーオフ「チャンピオンシップ」に進出し、2戦先勝方式で準々決勝と準決勝を勝ち抜いた川崎と栃木が、1戦決着方式で対戦した。
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