老朽化が進む生田出張所の建て替え検討に伴い、川崎市は7月に意見交換会を行う。今年度末までに計画を策定し、2018年4月以降の着工を予定。地域の拠点として、市民が利用しやすい施設を目指していく。
市では建て替えに伴い、これまでの行政サービスに加え、地域住民の要望に沿った身近な集いの場にするため、参加者を募り意見交換会を行う。スペースの有効活用や、より使いやすい利用方法などについて話し合う。
寄せられた意見を踏まえて、市は今年秋ごろに「多摩区役所生田出張所建替基本計画」の案を発表し、パブリックコメント(意見公募)を行う予定だ。建築工法や工程、各種調査結果を含めて計画案を検討するため、着工後のスケジュールは未定だという。
市の市民文化局担当者は「より一層、地域で利用される施設にしたい。地元でもさまざまな意見があると思う。計画の早い段階から参加することで建物に愛着を持ってもらえれば」と話している。
生田出張所は1975年3月に建てられ、今年で42年を迎えた。各種証明書の発行や地域住民組織の振興、市民活動の支援を行っている。大小会議室や交流センターを備えており、登録団体などが集会所や会議室として利用している。建物全体に大きなひび割れがあり、地下駐車場の壁際から地下水の湧水も確認され、鉄筋の腐食などに影響を与えている。改修や補強では費用がかかりすぎるため、建て替えが望ましいと判断された。
生田地区ではこれまで、生田出張所を中心とした敷地に市民館・図書館分館の建設を求めて、1998年に地元の自治会長や商店会長らで建設調査委員会を発足した経緯がある。
生田小学校付属幼稚園を含めた三館合築で建設する請願が2001年に市議会で採択されたが、当時財政難だった川崎市は翌年「市行財政改革プラン」を策定。公共施設の新規着工について原則3年間凍結し、全ての事業を対象に費用対効果の検証や廃止を含めて抜本的に見直された。その後、生田出張所に図書館などを合築する計画は、事実上白紙となった。
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