川崎新田ボクシングジム(登戸)の黒田雅之選手(32)が5月13日、IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦に挑み、王者モルティ・ムザラネ選手(36)=南アフリカ=に0―3で判定負けを喫した。同級4位の黒田選手は2013年以来2回目の世界戦で、市内ジム初の王座奪取を目指したが叶わなかった。戦績は30勝(16KO)8敗3分。
約2千人が詰めかけた東京・後楽園ホールには、同ジム後援会の片山義規会長をはじめ福田紀彦市長や商工会議所の山田長満会頭、多摩区からは荻原圭一区長、区観光協会の末吉一夫会長や地元団体、企業の関係者らが集結。同ジムと親交のあるサッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターらも、のぼり旗やタオルを手に応援に駆けつけた。
両者、譲らず
39戦37勝(25KO)を誇る王者に対し、ボディーを中心に序盤から積極的に手を出す黒田選手。長いリーチと多彩な攻めでペースをつかむムザラネ選手に対し、黒田選手はダメージが蓄積し、まぶたの腫れと流血が目立つように。主導権を取り返そうと12ラウンド攻め続けたが、王者を倒すことはできなかった。
試合中は「黒田」コールや、川崎Fサポーターによる応援歌の大合唱が響いた。「オール川崎」の声援を受け、「嬉しかった。盛り上がってもらえたことはよかった」と黒田選手。「自分がやりたいことをやられてしまい、力不足。本当に勝ちたかった」と声を振り絞った。区民をはじめ応援してくれたファンに対し、新田会長は「夢を託してもらったが(ベルトを)つかめなくて申し訳ない。これからも見守っていただきたい」と胸中を語った。
多摩区から応援、一丸で
多摩区では4月25日から2週間、グローブの形をした色紙(いろがみ)にメッセージを書くブースを区役所1階に設置。集まったメッセージ約170枚をまとめた台紙を届けに、荻原区長と末吉会長が試合3日前、川崎新田ジムを訪れた=写真下。
観戦後、荻原区長は「6年前のリベンジ、『川崎から世界への夢』は今回実現しませんでしたが、打たれても、打たれても前に出て、最後まで戦う姿に、多くの多摩区民が試合会場で、またテレビの前で観戦して感動しました。ありがとうございました」とコメント。末吉会長は「多摩区民を熱狂の中に飛び込ませてくれたのはありがたい。いい試合でした」と話した。
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