川崎市は登戸土地区画整理事業の計画変更を先月27日に発表。登戸駅南側の整備に向け、駅前広場そばの3つの街区を統合し、区画道路を廃止する方針を示した。昨年4月に発足した権利者らによる再開発準備組合では、大型複合施設の建設も視野に検討を進めている。
2025年度中の整備完了を目指し、進行の目安にあたる仮換地指定率は94・8%、建築物等の移転棟数の進ちょく率は約87・1%(1月1日時点)としている登戸土地区画整理事業。市は指針「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区まちづくりビジョン」を昨年7月に定め、事業区域内の2駅を「駅前の顔づくり」の拠点に位置づけている。
「賑わいの核」に
その一つ、登戸駅南側では、市が先月発表した事業変更で土地利用計画と道路計画を見直し。統合する3街区を通る予定だった区画道路は廃止となった。市は「魅力ある多様な都市機能が集まる駅前空間を創り出し、まちづくりビジョンで定めた『賑わいの核』を形成していく」との方向性を示す。
地域活動団体「登戸そだて隊」のメンバーで、再開発準備組合にも関わる吉澤明紘さんは「ここの駅前は昔、毎年夏に盆踊りの会場にもなっていた。整備を経て、人が集まるにぎわいの場になれば」と願いを込める。
事業費は58億円増
市の事業変更では総事業費も見直され、整備拡充などを踏まえて約58億円を増額。約993億8千万円を想定している。増額要因の一つ、工事費の中では電線共同溝の拡充に約13億6千万円を計上。一方通行化が検討されている区役所通り登栄会商店街のメイン通りで、無電柱化を新たに行うとしている。
登栄会は先月、会合で会員同士の意見交換を実施。一方通行化について、同会の三平雅美理事長は「ベンチや街路灯、ごみ問題など道路整備に関わる設備等の維持・管理は商店街だけで担うのは難しい。町会や地域住民を巻き込んで街路灯の維持団体をつくるなど、まち全体で機能を管理していく考え方が必要」と提言する。
この「区役所通り」は今後の整備に伴い、道路のコンセプトや新しい名称なども検討される見通し。登栄会と市で今年度中に整備方針を固めるとしている。
1988年に開始し、終盤を迎えている登戸土地区画整理事業は、今回の事業計画変更で6回目。土地区画整理法に基づき、市は5月に事業計画変更の縦覧と意見募集を行う。8月に国土交通省に変更の認可申請を行い、12月に認可を予定。2025年度に建築物等の移転と道路等の都市基盤整備を完了し、清算業務を開始する予定だ。
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