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柿生文化を読む シリーズ「鶴見川流域の中世」多くの武士が割拠した鶴見川流域【2】 文:中西望介(戦国史研究会会員・都筑橘樹研究会員)

掲載号:2021年3月26日号

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 さて、鶴見川流域にもどって武士を見てみると、小山田(小山田庄・保)・加世(賀勢庄)を除くと庄園を名字とする武士は見られない。他は国衙領である郷を名字とする武士で、これが多数を占めている。鶴見川流域の地形の特徴である谷戸と丘陵を基盤として、中世の胎動期に「郷」が形成されて、その郷を本拠地として武士が生まれたからである。それぞれの出自をみると横山党・秩父平氏・都筑党、さらに出自不詳の武士が多数を占めている。

 成瀬は横山党の隆遠(藍原次郎大夫)の三男時綱の子孫は成瀬を名乗っている。小山田・中山・小机・師岡・渋口は秩父平氏の出自であり、都筑は都筑党の武士と思われるが、はっきりしたことがわからない謎の多い武士である。

 鶴見川流域の武士は幾度も入れ替わっている。それは治承寿永の内乱、源頼朝亡き後の鎌倉幕府内部の権力闘争、鎌倉幕府滅亡から南北朝内乱、享徳の乱以降の戦国争乱、豊臣秀吉による小田原北条氏討伐などの戦乱によるもので、前代の武士が一掃される事もあった。    (つづく)
 

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