神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

報徳の森プロジェクトの実行委員長を務める 近藤増男さん (有)小田原植木社長 65歳

公開:2012年1月13日

  • X
  • LINE
  • hatena

視野の先に「一円観」

 ○…「森を再生すれば、川も、里も、海も豊かになる」。木の生育に携わり半世紀近く、経験と実績から得た確信だ。林業、農業、漁業をはじめ、全ての産業が繋がっていることに着目し、山の整備を計画。その最中、東日本大震災が起こった。「小田原の森を活用し、被災地を応援できないだろうか…」。伐期を迎えた森に手を入れ、間伐材を被災地の建材に活用する。二宮尊徳にあやかった「報徳の森プロジェクト」の始まりだ。

 ○…持ち前の発想力と行動力で、まずは前進あるのみ。大学卒業後すぐに祖父が経営していた殖産園を継ぎ、約18ヘクタールを手作業で開墾、3年で年商を3倍にした。「社員を一生面倒みられる会社にしたい」と法人化、退職金制度や雇用継続制度も導入した。仕事場の植木場を植物園として公開する「日本列島植物園」を立ち上げ、7年間で全国約70社が参加する規模にまで成長させたのも、人並みはずれた活力からだろう。「せっかく植物を育てているので、見て楽しんでもらえれば。里地里山づくりにも貢献できて、宿泊や飲食などの経済効果にも繋がる」と目を輝かせる。

 ○…仕事の傍ら、小田原市の無尽蔵プロジェクトや森林管理、久野地区の地域づくりにも尽力する。「父親が早く亡くなったので地域にお世話になった。少しでも恩返しができたら」と、熱い胸のうちを語る。朗らかな表情からは、苦労を微塵も感じさせない。自然と人が集まってくる温かい人柄だ。会社にはひっきりなしに来客があり、家には孫たちが集う。いつも周囲は賑やかなのだとか。

 ○…報徳の森プロジェクトは始まったばかり。「応援することで、小田原の産業も元気にしたい」と、発想の根源には常に尊徳の「一円観」がある。「諦めなければ失敗しない」と、一つひとつの課題を確実に解消し、志へと挑む姿に、二宮尊徳の人物像が重なり合う。強い心魂と、全体を見渡す視野の広さを感じた。

箱根・湯河原・真鶴版の人物風土記最新6

前野 和子さん

手製の布ぞうりが中米コスタリカの大使館内に展示された

前野 和子さん

真鶴町岩在住 77歳

4月19日

DJ MIDORIさん

エフエム熱海湯河原 開局20周年イベントに出演した

DJ MIDORIさん

湯河原町在住 27歳

3月22日

梅原 雄蔵さん

被災地ボランティアとして東北に通う

梅原 雄蔵さん

湯河原町土肥在住 71歳

3月8日

吉田 幸恵さん

箱根温泉おかみの会会長を務める

吉田 幸恵さん

箱根町湯本在住 61歳

2月22日

後藤和彦さん

湯河原みかんグルメ&スイーツサミットV2の「オレンジメンチ」を考案した

後藤和彦さん

湯河原町土肥在住 50歳

2月8日

守屋 セイさん

足柄下郡3町唯一の助産院で院長を務めていた

守屋 セイさん

湯河原町門川在住 91歳

1月25日

あっとほーむデスク

  • 5月1日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 1月25日0:00更新

箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2019年5月1日号

お問い合わせ

外部リンク