湯河原町で笑いヨガの講師を務める 菊入亜紀子さん 湯河原町吉浜在住 49歳
大笑いの伝道師
○…あーっはっはっはっはっはっはっと大声で数分間も笑い続ければ、それはもう立派な有酸素運動だ。ストレスを解消し免疫力も高めるなど、数々の”笑い効果”に着目したヨガ講座を吉浜のヘルシープラザで開いている。体操しながら笑う。自己紹介しながらまた笑う。そこに冗談やユーモアはいらない。終わった頃には気分爽快だ。「日常でどんなに笑っても3秒程度。これを数分笑うだけでも新鮮な酸素が取り込めてエネルギーが湧くんです」。
○…新潟県新発田(しばた)市出身。夏には美しい緑のじゅうたんになる越後平野は何にも代えがたいふるさとだ。両親が教員だったこともあり、中学高校の頃からマジメにコツコツ学び、目立たない帰宅部生だった。大学を出て東京で就職。バブル景気の東京で待っていたのは徹夜と休日出勤。忙しすぎて貯まったお金をつかの間の休日に吐き出した。担当部署は業務改善セクションで、効率化を目指す経営陣と現場との板ばさみになり、ひたすら働き続けた。
○…大腸がんと診断され手術を受けたのが4年前。会社も辞め「この先どうしたらいいのか」「何か間違っていたのか」と思いが交錯するなか、見えない答えを探した。ある日友人に誘われ、連れて行かれたのが代々木公園。『ごっこ遊び』に興じてガハハハハハと笑う不思議なグループがいた。「笑いがウフフの比じゃなかった。自分には絶対ムリだと思ったんですが、やってみるとこれが効いて。翌日からドヨ〜ンがアハハですよ」。笑いヨガの発祥地・南インドで講師の資格を取り、今では笑いを広める側に。小田原や藤沢でも講座を担当するようになった。
○…3年前から湯河原で暮らす。たまに吉浜を歩いて、波で丸くなったガラスを拾う。発酵食品が好きで、仕込んでおいた塩麹(しおこうじ)や味噌の蓋を開けるのが幸せ。目を細めて「酵母はよく働く。本当に偉いですよ」。旦那さんが聞いたらどんな顔をするだろう。
|
|
|
|
|
|