小田原箱根商工会議所の副会頭で箱根支部長に就任した 鈴木 茂男さん ホテル南風荘代表 65歳
厳しい現状、前向きに
○…商工会議所の副会頭と箱根支部長の就任は、大涌谷の規制が起きる前に決まっていた。厳しい時期だが「引き受けた以上は出来る限りやりたい」と決意を示す。観光が主の箱根にとって今は大きなピンチ。「コミュニケーションをとって箱根全体で対応しないと」と気を引き締めた。
○…東京生まれ。次男だった先代の父が資金をため、バンガローだった場所を買い取ったのが、今年50周年を迎えたホテル南風荘だ。当時はまだ中学3年生。今ならわかる父の苦労。「家業を継げ、とも言わず学生時代まで好きなことをさせてくれた」と謝意を表した。
○…この半世紀で大きく変わったのは客層。団体から個人へ。少なかった外国人やシングルユーザーも増えた。「昔は近場の旅館がライバルだったが、今は別の温泉場がライバル。箱根の玄関口は東京」になった。ありとあらゆる客層に対応するため、社員教育にも力を入れる。「噴火レベルのアップは困るけれど、自分たちの仕事はレベルアップしないと」と笑う。5年後にはオリンピックも控える。「生活習慣など、目に見えないところの違いには外国人のスタッフで受け入れ、対応するなど検討したい」と意気込みを見せた。
○…旅館・ホテル関係の理事長を幾つも兼務し、自分の時間など取れなさそうだが「元々旅館業は、365日・24時間営業の商売。だから自分の時間は自分次第」と事もなげ。館内の家具や部屋の調度品の選定も買い物と考えるなど、仕事と趣味の区別を上手に無くしている。ドライブも趣味の一つだが、こちらも流行りものを見に行ったり、新規オープン店に出かけたりと、情報収集を兼ねている。
○…今回の箱根の事態にも「自分が悪いことをしたわけではないから」と泰然としている。「箱根」というブランドが恩恵を受けていた「自然」といかに共存するか。「(箱根全体が)一つにまとまるテーマが出来た」と前向きに捉える。
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