28日に「夢と起業の実現」をテーマに講演 青色申告会の真鶴支部長 青木 智子さん 真鶴町在住 72歳
思い立ったら一途
〇…写真撮影で自然な笑顔を引き出すのは意外と難しいのだが、この人はシャッターを楽しむタイプで「何事も笑うが勝ちよ」。青色申告会真鶴支部の”顔”はとことん明るい。
〇…実家は湯河原町の農家。小さい頃は忙しい両親にかわって、祖父が本を読み聞かせてくれた。「地球の裏側にも国がある」と教えられると、スコップを手に夢中になって穴を掘ったという。ミカンの収穫シーズンになると東北からも働き手が集まるため、家にいながら様々な地方の大人たちと交流した。垣根なく語り合う性格は今も変わらず、人を惹きつける磁力になっている。湯河原小・中、そして旧城内高校を卒業し、真鶴町に嫁いだ。
○…思いついたら行動に移す性格。農家育ちという事もあり、子育て中は色鮮やかすぎる漬物などを通じて、食品添加物に着目。食べ物に敏感になり、公民館で手づくりお菓子の講習会を開いた事も。バブル期にマンション計画が続々と持ちあがると「八日市」を開いて収益の一部を町に寄付し始めた。緑地保全を通じて乱開発を止める事が目的だった。開催は10年で計120回に達し、仲間は20人に増加。流し続けた汗はその後、町の景観条例「美の基準」にも結びついた。
○…駅の近くでリサイクルショップを経営し、店番をしながら町おこしイベントに携わる。最近は「青色まつり」の準備に忙しい。「地元の魅力を発信しよう、地域でお金をまわそう」という9年前の思いが「まつり」の原点。以前に手作りパンを出品した個人が店舗をオープンさせるなど、地域の魅力が育つ場にもなっている。
〇…28日には「夢と起業の実現」をテーマに情報センターで講演し、これまでの活動を交えて語る予定だ。「どんな事も最低10年は続けないと。いつも私は言いだしっぺで、仲間の助けがほとんどだけどね」。言葉はシンプルながら確固。小さな町に清々しく響く。
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