泉地区 三町内連合会長を務める 関 政則さん 泉本区在住 65歳
みんなの見守り役
○…湯河原と千歳川を挟んで広がる熱海市泉の本区・五軒町・中沢の3町連合会長を2年前から務めている。この一帯は山間部の奥まで住宅が点在し、大通りにあたる県道もカーブや坂だらけ。「歩くと体にいいから『健康坂』って呼ばれる所もあるんです。ここの名物といえばやっぱり桜並木かな」。千歳川も春になれば桜で真っ白になり、桜ヶ丘という地名があるほど。「道路の花びらの掃除が意外と大変。近所の人たちが頑張って掃くんです」と地元目線で付け加えた。
○…実家は鮮魚店で、子どもの頃はよく旅館の芸妓たちが買い訪れたという。父の仕入れを手伝ってよく小田原漁港に通った。「魚を見る目は父にはかないませんでした。僕はあんまり魚が好きじゃなかったんだけど、初めて店頭でアジをさばいて買ってもらえた時は嬉しかった」。高校時代は体操にのめりこみ、特技を生かす道を模索。日体大を経て熱海市の中学校で体育を教えるようになった。25年の教員生活を振り返りつつ、手を横に振って謙遜する。「教えるといっても人対人ですよ。生徒が何かに取り組む横顔を見て感動したり、指導がうまくいかなくて自分が変わらなきゃと思ったり」。市役所を歩くと教え子の職員に出会う事もあり、相談に乗ってもらう事も。何しろ泉にはここ何年も市議がいないのだ。
○…現在は運輸関連会社に転職、旅行添乗員も経験してきた。仕事のない日も朝からスケジュールはびっしり。朝の登下校時間は横断歩道で旗を振り、土曜は「塾長」の肩書で地元っ子たちに勉強を教える。月曜は陸上教室で市内屈指の駅伝チームを育成。いつも泉の事ばかり考えているせいか「この前平塚に遠出してみたら、買い物中に目が回った」と笑う。地域の高齢化や少子化など悩みの種も尽きないが「祭りも勉強も防災も、みんなでやりたい。お互い声を掛け合ってね」と朗らか。先生が立っている原点はぶれない。
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