東日本大震災の発生から3日後の先月14日、多摩消防署の消防士7人が川崎市の第2次緊急消防援助隊として仙台の被災地に派遣された。これまでに経験のない津波による被害の大きさを目の当りにした。
多摩消防署は消防庁の要請を受けて同署消防士7人を第2次緊急消防援助隊神奈川県隊川崎隊として先月14日から18日まで被災地に派遣した。派遣場所は宮城県仙台市宮城野区。津波で建物の多くが倒壊した地域だ。
7人のうち2人が後方支援を担当し、5人が実際に救助にあたった。
1日目は小学校や住宅街を、2日目は七北田川の河川敷、3日目は工場や倉庫が立ち並ぶ地域を捜索した。どの場所も倒壊した建物やヘドロで救助は困難を極めたという。
同署の特別救助隊員、原田健太郎さん(28)は「私たちは生存率が大きく下がるといわれる”災害発生後72時間”の境目に被災地を訪れた。時間との勝負の中、1人でも多くの命を助けたかった」と話す。
「絶対に生存者はいる」と信じて懸命に活動したが生存者は見つからなかった。
「写真やノート、通信簿などが瓦礫の中から出てきた時が一番辛かった」と話すのは5人の救助隊の隊長を務めた今井鉄馬さん(44)。そこで生活をしていた人たちの声なき叫びを感じて心苦しい時もあったという。「隊員は士気が高い。あと1時間、あと30分と粘る。気持ちはよく分かるが、全員を無事に帰すことも自分の使命。葛藤しながらの3日間だった」と心の内を明かす。
危機意識を忘れずに
川崎市民の災害に対する心構えについて原田さんは「今は不安な気持ちや危機に対する準備意識が強いが、やがて忘れてしまう。この気持ちを持ち続けてほしい」と話す。家族間の連絡方法や避難経路、近所に誰が何人住んでいるのかなど、身の回りの状況を把握しておくことが大切だという。
同署では消防庁の要請を受けて先月24日から、福島第一原発の放水作業に3人を派遣している。今井さんは「日本のために精一杯頑張ってほしい」と同志にエールを送っていた。
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