新春 区長インタビュー 教訓生かし防災力向上を
本紙では新春を記念して、多摩区の門ノ沢俊明区長にインタビューした。昨年を振り返り、東日本大震災の教訓を生かしたまちづくりや観光を視点とした地域振興について語った。
(聞き手/本紙多摩区版編集室 伊藤圭)
-昨年は多摩区にとって様々な動きがあった年でもありました。新しい年を迎えていかがですか。
「昨年は多摩区の年であったといえるほど、様々な事業が目白押しでした。3月には川崎市多摩スポーツセンターがオープンし、9月には全国的に話題となった川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムがオープンしました。今年4月にはかわさき宙(そら)と緑の科学館がグランドオープンします。いい時期に区長職に就かせていただいたと思っています。私にとっても集大成となりますので新たに気合いを入れていきます」
-昨年は東日本大震災があり、多くの人が災害に対する危機意識を高めました。地域の行政の長としてどう考えていますか。
「行政の役割は防災力の向上です。これまで行政や地元自治会などで防災訓練を実施してきましたが、東日本大震災では予想を超える影響、被害へと広がりました。多摩区役所としても様々な課題が浮かび上がったと認識しています」
-具体的な課題とその対策はどのように考えていますか。
「震災当日、区役所が直面したのは帰宅困難者への対応です。アトリウムと市民館のホールを使用して756名の帰宅困難者を受け入れました。鉄道駅には約200名の方が留まる状態となり、区内に1000人近い帰宅困難者が留まったことになります。区役所として受け入れ体制を整えるとともに、民間企業に対しては従業員をむやみに帰さない、また、鉄道会社には駅で受け入れるなどを要請することが必要です。早朝や夜間、土日に震災が起きた場合の初動体制も課題です。自助・共助・公助の連携が大切です。個人、地域、行政をうまく機能させ、防災力を高める仕組みを作っていきます」
-昨年8月には区内で大規模な訓練が開かれ、区民の方の防災に対する意識の高さが示されました。
「川崎市総合防災訓練が昨年8月に区内で開かれました。消防や自衛隊なども参加し大規模な救助訓練などが行われましたが、中でも稲田中学校で実施された避難所の開設訓練は大きな成果だったと思います。区内ではこうした開設訓練は初めてでした。区民の方への啓発にもなり、継続的に実施することが大切です。区の対策本部の立ち上げ、地域防災計画、乳幼児や高齢者といった要援護者の支援など見直すべき点は修正していきます」
観光資源で地域振興
―さて、多摩区では観光を視点としたまちづくりを進めてきました。中でも川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムは全国的にも話題となりました。こうした注目をどう地域振興の施策に生かしますか。
「開館後2ヵ月間で約10万人が来場しました。こうした集客がどう地域活性化に寄与しているか、アンケート調査を実施しました。これから結果を分析し、区の取り組みに生かしていきます。また、今春は科学館のグランドオープンも控えています。記念として、科学館や市役所の関係部局と連携して名産品づくりに取り組んでいきます。科学館にちなんだ商品から多摩区の名産品まで来場者に味わってもらう機会や場所を提供したいと考えています。地元の学生や商店の皆さんの協力を得ながら、地域振興につなげていきます。
―今年は多摩区制40周年の節目をむかえます。今年の抱負と区民の皆様にメッセージを。
「今年は区制40周年を冠に掲げた様々なイベントや事業を展開します。例えば、市民館で上方落語の公開放送や3大学知的探訪といったイベントがあり、盛り上げていきます。東日本大震災で日本中の元気がなくなりましたが、ようやく復興への道筋も見え始めたところです。区民の皆様の支援とご協力には感謝いたします。今後も行政としてできるだけの支援に取り組んでいきます。結びに区民の皆様にとって今年一年がいい年でありますよう心よりお祈り申し上げます。
|
|
|
|
|
|
【ナイスオン】【バンバン】【ナイスオン】春のコースデビューキャンペーン~4月30日【ブラッサム・ポラリス】4月22日㈪新台入替 |
<PR>
4月26日
4月19日