川崎市予算編成 各区局に10%減を要求 収支不足が拡大、厳しい財政
川崎市は5日、来年度の各区局の予算を10%削減する要求基準を盛り込んだ予算編成方針を公表した。2桁台まで膨らんだのはここ10年間で、リーマン・ショック直後の10年度以来2回目。市は厳しい財政状況を踏まえ、徹底した行財政改革に取り組む姿勢だ。
市の収支見通しによると、歳入は3421億円、歳出は3600億円で、収支は179億円不足する。昨年3月に策定した当初の財政フレームよりも不足分が60億円膨らんだ。
歳出をみると、子ども手当ての負担を含めた扶助費は543億円で当初よりも32億円拡大。一方、歳入をみると、地方交付税の不足を補う臨時財政対策債は43億円減らして142億円とした。市税収入も景気動向を反映して2億円減と算定し、収支不足は179億円に拡大した。
新規借入れで調整
市では「厳しい社会経済状況を背景に生活保護扶助費の増加に加え、待機児童対策にも取り組む必要があり、厳しい財政が続く」と想定。減債基金から60億円新規に借り入れることで不足分を119億円に圧縮する調整を図った。川崎再生フロンティアプラン第3期実行計画に対して事業計画費の一般財源のマイナス10%の要求基準を設定した。
民活や債権確保も
市は「14年度には減債基金からの新規借入れを行うことなく収支均衡を図る」を目標に、「全庁一丸になって取り組む」と掲げた。予算編成の方針には「計画事業費を基本にしつつ、情勢の変化に的確かつ機動的に対応する」という考えを示し、民間部門の活用による経費削減や滞納債権の確保を強化する方針も盛り込んだ。
市財政局の担当者は「リーマン・ショック以降の景気が回復していない。市税収入の回復も厳しい」と話している。
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