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多摩区版 公開:2013年11月15日 エリアトップへ

狂言師として様々なスタイルの舞台を展開し、普及に取り組んでいる 大藏 教義さん 中野島在住 31歳

公開:2013年11月15日

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伝統を守るために攻める

 ○…「狂言はコント。自由に解釈し、好きなタイミングで笑ってもらいたい」。中野島で狂言教室を主宰し、中野島稲荷神社で先月開かれた例大祭でも舞台を披露した。海外でも公演をこなし、最近では文化庁の要請で学校で披露することも多い。「狂言が成立した当時の言葉で演じるが、しぐさや節回しの楽しさに子どもは素直に反応してくれる。狂言が700年続いたのは楽しいから」

 ○…家系は代々、狂言師を受け継いできた。初めて舞台に立ったのは4歳の時。厳しい父親の稽古が嫌で嫌で仕方がなかったという。小学生の頃は「家にできるだけ帰りたくない」と思っていた。ただ、高校生になって一変。「狂言が珍しがられて同級生から芸能人扱い。環境が変わり、自然と狂言へ導かれていった」。大学では狂言サークルを立ち上げて、ほかの学生に教えるようになっていった。「それまで嫌だった狂言が誇りになっていった」

 ○…大勢の人の前でありのままの自分でいられる楽しさがあるという。妬みや嫉妬、見栄を張りたくなる気持ちなど普段はなかなか表に出せない感情も舞台の上では表現できる。仕事も趣味も狂言。「趣味やスポーツのように感情を発散できるよさがある。狂言は演技である以上に表現が大切」という。4歳の娘にも文化に親しんでもらうために教えている。

 ○…このままでは伝統芸能の世界が廃れていく危機感がある。「週末に映画を見に行くように娯楽の選択肢に狂言は入っていない」。狂言は大道具も照明も音響も必要なく、軽いフットワークが強みだ。料亭に出向いて「お座敷狂言」を展開するほか、若い人にも楽しんでもらえるように道具や見方の説明だけに徹した「狂言LABO」も開く。東日本大震災以降は被災地支援のチャリティー公演も行っている。「狂言が身近なものだと感じてほしい。伝統を守っていくためにも、もっと攻めていかないと」

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