川崎市は、国際戦略拠点の川崎区殿町地区と羽田空港跡地地区を結ぶ羽田連絡道路の整備について、自主的環境影響評価(アセス)の準備書を公表。橋脚の数を絞り、シンプルな形状にするなど、河川環境への影響に配慮した橋梁構造にする方針だ。
国道409号と多摩川対岸の環状8号線を結ぶ、全長約840mの羽田連絡道路。このうち約590mが川崎市側になる。計画によると、橋の部分は片側1車線で車道幅は7・5m。両側には歩道や自転車の通行帯が整備される。
交差点付近では、交通の円滑化を図るため、車道に付加車線(右・左折帯)を設けるとしている。来年度に着工し、東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年の完成を目指している。市によると「羽田連絡道路の整備により、両地区の連携強化が図られ、ライフサイエンス分野など新産業創造などで相乗効果が期待できる」としている。
準備書では、橋梁構造は河川の環境への影響に配慮し、河川内の橋脚を2基と極力少なくしたとしている。多摩川河口部の干潟を利用する鳥類の飛翔にも配慮し、ケーブルなどの路面上の構造突出物がない形式とも説明する。
15項目で評価
環境影響評価は大気質、干潟、植物、動物、生態系、騒音、景観、地域交通など15項目について、工事中や供用時の影響の予測や評価を行うとともに、計画区間やその周辺の環境影響を低減するために環境保全措置の検討を進めている。
6月に行われた説明会には、住民に加え自然保護団体メンバーも出席。周辺の生活道路への影響や、多摩川の自然環境への影響などについて質問が出された。市は「地域の皆様や各種団体の方々のご意見をうかがいながら、環境の保全や配慮に取り組んでいきたい」としている。
準備書は7月11日まで、市環境局環境評価室、川崎区役所などで見ることができる。市ウェブサイトからも閲覧可。
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