慶應義塾大学医学部と川崎市が連携し、「高齢者の暮らし方と健康に関する学術調査」を進めている。85歳から89歳までの健康な市民を対象にした調査で、健康寿命の延伸や高齢者の生活の質向上に貢献することを目指している。
これは同大殿町キャンパスを含む市臨海部エリアを拠点とした異分野融合共同研究開発の一環。今年度から2年かけて、千人の市民を対象に調査していく。同大百寿総合研究センターの新井康通氏は「医学的に心臓・血管系、整形外科、心の3つのポイントからどういうことが要介護に繋がるのか調べていく。市と共同で調査することで高い参加率も望める」と話す。
市立井田病院(中原区)で先月行われた2回目の調査には、市民約30人が参加。生活習慣に関する聞き取りや身体計測、心電図、頸動脈エコー検査など、多岐に渡る項目の調査を行った。参加した山田博晟さん(87)は「検査しておけば自分のこれからの見通しも立つ。国のために役立ててもらいたい」と話していた。
市内北部は来年を予定
現状は川崎区、幸区、中原区の市民が対象。市立川崎病院(川崎区)、市立井田病院を会場に、これまで計160人が参加した。参加者には半年ごとの聞き取りや医療保険を利用した追跡調査などを行い、経過をみていく。
来年には市内北部にも調査対象を広げていく予定だ。市担当者は「市からのご案内が届いたら、ぜひ協力していただきたい」と呼びかけている。
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