民生委員児童委員の一斉改選が12月に行われ、川崎市では96人が任期満了を迎える。前回改選時は年齢要件の引き上げで任期満了による退任者はいなかったが、欠員は200人を超えた。今回は退任者の増加により前回以上の定数割れが見込まれる。
民生委員児童委員は高齢者宅の訪問、子育てや介護の相談対応、専門機関の紹介など住民と行政のパイプ役を担う。川崎市では各区の候補者を厚生労働省に推薦し委嘱を受け、3年に1度、全国一斉改選が行われる。
市内の委員数は定数1799人に対し、7月1日時点で欠員253人。70代の担い手が4割以上を占める。市は前回、再任の年齢要件を75歳未満から例外的に77歳未満に引き上げ人員確保に努めたが、今年の改選で前回再任された96人が77歳以上となるため任期満了で退任する。市民生委員児童委員協議会の冨岡茂太郎会長(77)は「各町内会で候補者を集めているが、町内会に入っていない大型マンション等も増え、選出が難しい地区もある」と話す。
厚労省によると2017年度、全国の民生委員の年間「訪問・連絡活動回数」は1人あたり約164回、行事参加など「その他の活動件数」は約114件だった。市内でも「介護との両立が難しくなった」「会議が多い」といった声が聞かれ、負担の重さも担い手不足の一因となっている。宮前区で24年間活動してきた老門聰子さん(78)は「欠員が増えると委員がいない地区も出てくる。担当地区に加えて他地区を担わなければならない場合もある」と話す。
市担当者は「負担軽減のためにも人員確保が重要」とし、市政だより等での広報に注力。8月下旬から9月末までは各区の候補者をとりまとめる市推薦会を3回実施する予定だが、状況次第で回数を増やすなどし、人員確保に努めていく考えだ。
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