市政報告 他市に学び、川崎市政を少しでも前へ 川崎市議会議員 上原まさひろ
3月6日から7日にかけて、稲城市の矢野口と東長沼にまたがる吉方公園で、コーキング剤と思われる白い物体が遊具等に散布されるという、悪質なイタズラが発生した。この知らせを知ったのは、稲城市長の高橋勝浩氏のSNSへの投稿がきっかけだった。
稲城市は、8日午前中に警察署と現場立ち合いを行い、被害届を提出した。翌9日には、稲城市は防犯カメラを設置した。また本事件に関しては、その後、複数のメディアからの取材と地上波放送があったという。
■川崎市の菅芝間公園でも、発生していた
さかのぼること数カ月前、令和2年10月に、川崎市でも同様、いやむしろ手口が酷似しているといえるイタズラ事件が発生していた。多摩区の菅芝間公園で、新設間もないトイレのほか、様々な遊具にコーキング剤がまかれ、公園が使えなくなった。稲城市の事件の参考情報として、本件に関しては私自身も、近隣町会役員の一人として情報提供を行った。
■仕組み上、すぐには届かぬ「防犯カメラ設置」への声
川崎市でも同様の被害にあった。その後、住民の皆様からは、主に早期の防犯カメラ設置の提案・要望をいただいた。これを受けて、各種調整を試みた。
まず町内会自治会等からの申請であれば、年間に1件程度しか市の予算取りができておらず、また審査期間も相応にかかる。本事案に適さない。
次に、神奈川県警も事件発生直後、通報を受け現場入りした際に、市から暫定的なカメラ設置(可搬式の電源内蔵モバイルカメラ、県には93式準備があるという)について県警に相談したが、連続的に起こる悪質事件を優先したいという見解であった。
県・市の手助け無しで町会独自での設置も金額的に難しい。市の職員も気をもんでいるが、地域住民の声は構造上、届くのに相応の時間を要する、これが今の川崎だ。
■稲城市はなぜ翌日に配置できたのか?
なぜ稲城市には設置できたのか、明快な答えがあった。
稲城市長・高橋勝浩氏によると、稲城市では、これまで川崎市でも導入している手段のほか、企業などによる寄付金を原資に、犯罪多発地域などに設置する防犯カメラ設置協議会でも防犯カメラの設置を進めている。
また、防犯カメラの設置需要は市全域を通して要望が多いため、これに柔軟に対応するために、稲城市総務部に電池駆動の簡易型カメラを配備し、放火、通り魔、変質者などの緊急案件があった際に、即座に設置できるよう仕組みを既に整えていた。今回の吉方公園にもこの簡易型カメラが設置されたとのこと。
恒久式のカメラは高額であるほか、電源の確保、維持費の高さがハードルとなるが、これもクリアすることができる。
■素直に学び、柔軟に提案し、前へ
川崎市でも、住民もしくは地域の団体・企業と、一層の絆を深め、柔軟かつスピーディに、地域課題の解決をすることができる「仕組み」の構築を目指すべきと強く感じた。
他市から学んだ事例・市民のためになる事例は、川崎市に対しても、民を巻き込んだ仕組みについて、積極的に導入を働きかけるよう、提案していきたい。市民の安全と安心を守るため、手段は問わない。
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