大震災時の一時(いっとき)避難場所となる「市民防災農地」。その一つ、トカイナカヴィレッジ・松本傳左衛門農園(東生田)で8月7日、避難のノウハウを学ぶ「防災キャンプ」が行われた。参加者は収穫や炊き出し、火起こしなど農地ならではの体験で防災意識を高めた。
多様な農業体験を提供する同園の助役で、一般社団法人減災ラボの理事も務めている西山雅也さん(56)が講師を担当。夏休みの親子向け企画として5組が参加した。西山さんは「ガスや電気、水道が止まる災害は、考え方を変えるとキャンプと似ている」と、日頃の備えや災害時の自助について解説。トウモロコシと枝豆の収穫をはじめ、保存袋を使った炊飯、浄水や湯沸かしなどを実践した。ナイフを使った火起こしに挑戦した井口想太さん(11)は「力の入れ方やコツをつかむのに時間がかかった」、母親の真衣さん(37)は「お米も簡単に炊けると知り、家族でまたやってみたい」と語った。
西山さんが特に強調したのは、温かい食事の大切さ。炊き出しの大行列や救援物資の冷たい食事など、避難所の実情について触れ、「自分たちで温かい食事を作って体力を維持できるように、訓練ではなく実践として普段から慣れておいてほしい」と伝えた。
川崎市が1997年から登録を進める市民防災農地は、現在市内533カ所、約80ヘクタール。多摩区には135カ所ある。大災害時、一時的に安全を確保する場所として利用できるが、同制度では農産物を食べることは不可としている。
西山さんによると熊本地震では、出荷できなくなった農産物を小学校に配る動きがあったという。同園としては「ある程度縁のある方など、共助として提供するような使い方もできると思う」との考えを示している。
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