生田緑地内の「かわさき宙と緑の科学館」前に立っていたヒマラヤスギが倒木の可能性があることから伐採され、ベンチやテーブルに生まれ変わった。同緑地共同事業体の高木遼子さん(37)は「資源を外に出さず、できる限り利活用を推進したい」と話した。
同館付近には3本のヒマラヤスギが立っていた。そのうち、伐採されたのは約20mと最も背が高かった一本。ヒマラヤスギは常緑針葉樹であるため、年間を通じて緑の葉を付けている。だが、2022年の夏ごろから部分的に葉が茶色となり、枝が枯れ、葉の落下が確認された。その後も樹勢は弱まっていき、約3分の2以上が枯れたことで倒木の危険性があると判断、5月29日に伐採された。
憩いの場に
緑地の資源を利活用すしたいとの思いから、そのスギをベンチやテーブルとして再利用。同じ場所に設置し、9月28日から一般開放している。取り組みを紹介する看板には、1980年当時の写真を使用。在りし日のスギの姿と再生の経緯を伝えている。また、「ボクはヒマラヤスギ」と擬人化した表現を使うことで、子どもにも分かりやすく、親しみを持ってもらえる工夫も凝らした。「できる限り木のままの形を残した。立っていたころを想像してもらえたらうれしい。老若男女問わず、憩いの場になれば」と高木さん。伐採後、年輪を確認すると、樹齢は約50〜60年であることが分かった。幹を横たわらせ、年輪を観察できるコーナーも設けた。
取材時、娘2人と孫2人と同緑地を訪れていた松島かおりさん(56)は「木を捨てるのではなく、再活用するのは良いことだと思った。木のぬくもりを感じる。大きいので、子どもも座りやすい。家族でゆっくりできる場だった」と話した。
同館の久保愼太郎館長(53)は「科学館の前にどっしりと立ち、みんなを見守ってくれた存在だった。伐採の話を聞いたときは寂しさもあったが、感謝の気持ちが強かった」と振り返り、「くつろぐ人の姿を見かける。木を活かした素敵な取り組み」と述べた。
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