いま問うべき「地元課題」に立ち返る 議会報告 稲田公園再編、稲田堤駅と中野島駅の未来、浸水被害のない街づくり 川崎市議会議員 上原まさひろ
令和5年第5回定例会が終了した。会期中には稲田堤駅周辺の道路が根治するなど、2期目議員として、世界的な潮流や国県の動きに注視しながらも、地元課題に立ち返るよう心掛ける。
■稲田公園再編へ
稲田公園は、多摩区内の164もの公園のうち、総合公園である生田緑地に次ぐ、地区公園として、地域のみならず近隣からも愛される。ただし、草木の繁茂・落葉対応や安全性の確保などの要望も多数頂戴する公園だ。令和6年度より、再編整備が始まる。基本計画策定のために動き始めているが、いまだ地元との対話はない。風光明媚を誇った桜のレガシーを引き継ぎ、公園用地を供出した地元の思いを乗せた素晴らしい公園にする必要がある。
■使い勝手の良い稲田堤駅と優しい中野島駅を
JR稲田堤駅の部分供用が始まり数か月が経過する。片側昇降のため、不便も感じる中、エレベーターは23時まで、ベビーカーや車いすが通るにも改札は広くない。改札数も増えていない。本格供用後にはこれらが解決するかと期待し質問するが、それまで地域の声も聞いていない状況であった。30億円も市税を投じたのに、中野島駅に改札数は劣り、稲城市の矢野口駅のように広い改札もない。改善に戦う所存だ。また中野島駅も橋上駅舎化の話はあるが、事業化されていない。そもそも北口臨時改札がフラットに移動することができて、優しい構造だ。北口臨時改札の終日供用を求める質問に、複数改札口も無人改札も鉄道会社の方針で無理との市の答弁だが、田端駅のように実現している駅もある。いつになるかわからない橋上駅舎化よりも、今あるものを使ってほしい。また地元学校法人だけが臨時改札の運用費用を負担するのではなく、堂々と市が負担する方法を模索したい。
■三沢川新設ポンプと代替公園
浸水被害対策として、菅稲田堤3丁目の菅第3公園に、大型ポンプ場を設置予定だ。完全な浸水対策に向けて必要な施策だが、子どもが集い思い出を残す、ベビーカーのママたち、保育園児がゆったりとした時間を過ごす、大人が体操を行う大事な公園だ。公園充足地域のため市が代替公園を準備する義務はないが、地元の声はそうはいかない。ここまでは市も十分に理解している向きだ。代替措置に向けては、地域の声を反映することが肝要。ポンプ場の運営を行う上下水道局の収支は厳しく、赤字化が見えると料金値上げは避けられない。代替公園ができた後は、建設緑政局が管理運営する。費用の捻出元についても、代替公園についても、しっかりと全市を挙げて取り組んでほしい。すべては市民の生命と財産を守るためである。
■下布田小卒業式を守れ
下布田小学校の体育館などの補修工事が進んでいる。6月には入札中止により、例年通りの体育館での卒業式開催を危ぶむ声もあった。現在は、校長先生含む教育委員会と、新たに落札した業者が、確実に例年の通りの開催が見込まれるが、確実に行われるよう、要望した。教育長としても、希望と感謝と決意を表す大事な行事として捉える。行政、あるいは大人の都合で、子どもの大事な行事が左右されることはあってはならない。
■「環境」太陽光発電設備を義務化するなら断熱補助を強化せよ
今回の議会で驚いたのは、これまで自民党の代表質問や委員会など、議場内外を通じて私が主張してきた内容が、他の会派からもあがったことだ。太陽光発電設備の「義務化」については、賛否の声が集まる中、気温がこれまでよりも高く推移し、環境にやさしい政策立案は待ったなしである。その中で、市内事業者が着手しやすい断熱についての補助金メニューを追加すべしとの意見だ。
国や県も、特に新築に対して補助金は出ているが、市としては身近な基礎自治体である川崎市は、市内事業者が手掛けやすいメニューで、市内の脱炭素化と事業振興を同時に進めていくよう促していく。
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5月17日
5月10日