多摩区南生田在住の高橋敏子さん(59)が、5月6日に東京体育館で開催された「第42回全日本バウンドテニス選手権大会」のシングルス・ミドル女子の部で頂点に輝いた。初の全国制覇に「何としてもラリーをつなげるという強い思いで必死にやった結果」と喜びを語る。
バウンドテニスは、テニスと同様のルールで行われる日本発祥の屋内競技。テニスコートの約6分の1サイズと、限られたスペースでも気軽にできることから、生涯スポーツとして老若男女問わず親しまれている。
同大会は一般財団法人日本バウンドテニス協会が主催。年齢や性別によって種目が異なり、トーナメント方式で実施された。高橋さんは45歳以上60歳未満が対象のミドル女子の部に出場、各都道府県の代表選手74人のトップに立った。
作戦切り替え勝利
初戦から3試合続けて順調に勝ち星を重ねるも、迎えた準々決勝で苦戦を強いられた。3ゲームを先取され苦しんだが逆転し、5対4で粘り勝ち。高橋さんは「途中で作戦を変更し、何とかラリーをつなげるという意識で耐久型の試合に持ち込んだ」と振り返る。
準決勝では、上位常連の石川県代表選手と対戦。相手の軽快なフットワークと攻めの姿勢に苦戦するも、5対4で接戦をものにし、決勝戦へ。休みなく続く試合に、体力を削られたが、最後は5対1で優勝をもぎとった。高橋さんは「必死で戦ったので記憶がない。ダメだと思った瞬間負けると思っているので、諦めず追いつける方法を考えながら戦えた」と安堵の表情を見せた。
競技盛り上げに一助
高橋さんは、40歳の時、麻生スポーツセンターで行われている定期教室でバウンドテニスに出会った。中学、高校と、軟式テニスに勤しんでいたこともあり、以来18年間競技を続けている。各地の大会に出場し、好成績を収めてきたが、全国大会での優勝は今回が初めて。「年齢を重ねる中で、バックハンドを強化し、大きなポジション変更をしない体力温存型のプレースタイルも身に付けてきた」と自身の強みを分析する。
昨年から神奈川県バウンドテニス協会の競技力向上委員に選出されるなど、競技の盛り上げにも尽力。高橋さんは「神奈川は全国でも大規模で競技人口も多い。若い世代も含め、皆で上達しようという向上心が強い神奈川にいられてよかった」と思いを語った。
川崎バウンドテニス協会の山崎和代会長は「向上心が高く、失敗を次につなげていく選手。戦い方の引き出しも豊富」と高橋さんを称えた。市内では練習場所が麻生スポーツセンターに限られていることにもふれながら「競技性はもちろん、楽しく体を鍛えられるスポーツ。この場所を大事にしながら、より多くの人に楽しさを知ってほしい」と期待を寄せた。
![]() バックハンドで返球する高橋さん(左)
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