川崎市は1月21日から10日間、朝の鉄道通勤ラッシュ対策の一つとして、職員のオフピーク通勤に取り組む。東京都が進める「時差Biz(ビズ)」の実施期間に合わせて行い、市内団体を通じて民間企業にも参加を働きかける。市は混雑率低減に向け、広く市内への普及啓発を目指す。
川崎市役所が「オフピーク通勤」に取り組むのは2017年11月、昨年7月に続き今回で3回目。1日の勤務時間(7時間45分)は変更せず、定時の午前8時30分から前後に出勤時間をずらした5つの勤務パターンを設定し、職員が任意で選択できる仕組みだ。
市役所ではこれまで、職員が個人の裁量で時差通勤できる制度を設けておらず、期間を限定して取り組んできた。昨年7月から約1カ月間の取り組みでは、今回と同じく東京都が企業や自治体などと連携して進める通勤ラッシュ対策「時差Biz」と合わせて実施。通勤に鉄道を利用する職員8044人を対象にしたところ、3300人が参加した。
市はより広い普及啓発のため、オフピーク通勤について参加協力企業の募集に力を入れている。商工会議所など市内の団体を通じ、事業所を市内に持つ民間企業に個別で協力を依頼。時差通勤や在宅勤務を従業員に推奨するなど、取り組みの内容は限定せず実施協力を呼びかけた。現在は13社が参加を表明している。
市の担当者は「表明がなくても、フレックス制などに取り組んでいる企業はあるはず。オフピーク通勤はより多くの人が一緒に取り組むことにより効果が見込まれる。今後も協力を呼び掛けたい」と話している。
9時以降出社約3割どまり
昨年7月に市が実施したアンケート結果によると、参加者のおよそ6割以上が定時より早い時間帯に出勤しており、9時以降に出社したのは3割強にとどまった。混雑については、8時30分以降の方が「いつもより空いている」と感じる傾向が高かった。
これを踏まえ、市は今回のオフピーク通勤で、国が進める働き方や仕事の進め方改革の動きと連携。今後は、定時より遅い時間帯に出勤する人を、職員を含め市内で増やしていきたいとしている。
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