川崎市が4月に開始したふるさと納税の新メニュー「学校ふるさと応援寄附金」。制度開始から半年で、市教育委員会が試算した3倍超にあたる320万円が集まっている。一方、市民からは「制度自体を知らない」と、周知不足を指摘する声も上がる。
各学校の課題解決や独自の取り組みをより推進するため、寄付先として新たに設置されたのが「学校ふるさと応援寄附金」。市立小学校114校と中学校52校、高校5校、特別支援校4校の中から学校を指定して寄付できる。
市教委によると、当初年間100万円の歳入を試算していたが、約半年で13件324万2296円(9月24日時点)が集まったという。寄付者からの使い道の指定がない場合は、図書やテーブルといった備品購入等に充てることを想定。受付から約2カ月の手続き期間が必要だが、学校の判断で使用することができる。
一方、市内のPTA関係者からは「制度自体を知らなかった」との声も。市PTA連絡協議会の舘勇紀会長は「PTAは教育予算要望書を市に提出しているが、学校ごとの細かな設備などについては盛り込めていない。備品購入や修繕の予算ができるのはありがたいので、もっと周知してほしい」と話す。
制度の周知方法は、学校への通達と市政だより、ウェブサイトのみ。市教委担当者は「まずは寄付者の意向に沿えるよう運用を軌道に乗せ、周知を進める」としている。
先行して実施していた横浜市の昨年度の寄付は63件680万円。寄付者や金額、用途がウェブサイトで公開されている。
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