川崎市内の新型コロナウイルス感染者数は７月に入り６日間で41人報告され、６月中の20人を上回っている。経済活動の再開で市民の行動範囲が広がったことや、ＰＣＲ検査の拡充が要因とみられている。川崎市健康安全研究所は再流行を防ぐため、対策の徹底と感染拡大地域への外出自粛を呼びかける。
市内の感染者は６月28日から連続して確認され、７月３日には緊急事態宣言解除後、初めて10人を超えた。20〜30代が56％を占めるなど、若い世代に多い傾向が見られる。最も感染者数が多かったのは４月11日の18人（７月７日時点）。緊急事態宣言中の５月から６月にかけては、５日間「ゼロ」が続くなど感染者は１桁台に抑えられていた。多摩区では５月２日から６月27日まで陽性者が出なかったが、それ以降複数人確認されている。
行動の広がり影響
感染者が増加している要因について、市健康福祉局健康安全研究所の三崎貴子担当部長は「ＰＣＲ検査の拡充」と「経済活動の再開」を挙げる。ＰＣＲ検査の対象は、発症した患者だけでなく濃厚接触者にも拡充。抗原検査も可能になったことで、陽性者が検出されやすくなった側面もあるという。三崎担当部長は「第２波ではないが、これ以上の感染者を増やさないためにはマスク着用や手洗い、うがいなどの基本を徹底するしかない。都心の繁華街など感染者が多いところに行くことも控えてほしい」と訴える。
市は第２波阻止に向け、慎重に対策を進めている。市内４カ所の公園プールを予約制としたのも対策の一つ。対象を市民限定とし、密集や密接を避けるため入場を制限して利用時間も区切る。30代の子育て中の女性は「自由に泳げる環境が少なくなるのは残念だが仕方がない」と複雑な心境をのぞかせた。
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